症状と施術
当院の岩尾院長が、さまざまな症状とその要因、そして回復のための施術の指針を解説していきます。
1、歯ごたえ 鍼灸を学び始めたころ、病気は鍼で不思議に治せ、その手応えを感じながら人を助け ることができるのだと考えていました。そして今は様々な病気を知り、つぼを全部覚 える時期だと思っていたのです。 しかしそのほとんどを学び終え、数年さまざまなところで修業して開業した後も、治 したという手応えはありませんでした。それは料理をしているのに、その料理を味 わったことがないのに似ています。 この手応えは歯ごたえに結び付けて治療を説明して見たいと思います。 私は長い間、歯や顎と身体の関係を研究してきました。たまたま私自身が歯を治療 してもらったときに頭痛や目眩、腰痛といった症状の変化を感じ取っていたからで す。 一時期、その変化を追い求めすぎて自律神経を大幅に失調したこともありましたが、 幸運にも、そのような理由を判別できないような症状を見極められたのは、身体のバ ランスという東洋医学の視野を持っていたからです。 まったく鍼治療と関係がないかのように見える歯の噛み合わせ、その噛み合わせに よって異なる歯ごたえが身体の方々と関係していたとは、まさに驚きでした。鍼治療 によって歯の噛み合わせを補正することができるということだからです。 それから長い時間をかけ、歯の1本1本と身体との位置関係を特定し知ることによっ て、鍼治療の跡に歯ごたえ、という感覚で患者さんにもその手応えを示唆できるよう になってきました。つまり誰でも施術がうまく言ったかどうかを身体よりも先に、歯 ごたえで確認することができます。 先の丸くなった安全な鍼やイメージを使った講習を一般の方々にも行っていますが、 この歯ごたえを基準におくことで、誰もが身体の肥満や骨盤、О脚などの補正を、不 思議のも歯ごたえとして感じることができます。 この変化を確認できるということは、医療にとっても非常に大きな意味を持ちます。 数人の歯医者さんや歯科技工士の人たちが講習会に参加していますが、これは将来、 今まで分業化され過ぎていた医療の世界が、誰しも持っているこの手応えを感じる、 という感触の元に一つになっていく兆しであると思っています。 特に最も物理的な歯科と、微細な気、そして更に微細な量子の力学は大きな力となる に違いありません。 なぜなら身体を健康や美として造っているのは、他ならぬ目に見えませんが歯ごた えほどに明確に感じ取れるフィーリングなのです。 2、プロポーション 中年近くなると姿勢の崩れを方でかばうためクビから肩の線が丸みを帯び、同時に上 半身が少し前に傾いてきます。その崩れを骨盤を開いてかばうため、自然に足も少し 開いて歩くようになります。結果、肩こりや腰痛、自律神経失調症や神経痛、内臓下 垂、ひざの痛み、固太り中年太りなど、ありとあらゆる老化現象が出てきてプロポー ションを気にする余裕など無くなってしまいます。 この姿勢の崩れの方向をはっきり捉え元に戻せたら、多くの症状が消えていくばかり ではなく、自分自身のライフスタイルをも取り戻せるでしょう。このことについて簡 単に説明してみます。 身体の水平感覚をコントロールしているのは両耳の奥にある三半器官です。私たち診 かたからすると、身体の姿勢を決めているのは歯列と両方の三半器官の間にある顎関 節が大きなところです。 身体を前に動かそうとすると、その前に顎がわずかに前に歯列がその動きを支えま す。例えば右に動かそうとすると、その動きの前に必ず顎が右に動き歯列のうちのど れかがその動きを微妙に支えます。 重い荷物をその場で持ち上げようとすると顎は歯をかみ合わせ、その位置を固定し 足全体がその重さを支えます。逆に身体が誰かに押されたりして前に倒れ掛かったと すると、顎が前に出てきて身体を支えるように働きかけます。 このとき、顎の動きが偏ってスムーズな動きができないと、どんな頑強な人でも 偏った力の反対方向に身体全体が自然に崩れてきます。 そのため、その人の顔のバランスや姿勢を見ると、その人の顎にどのような偏った力 が入っているか知ることができます。また首回りの特定の筋の凝りを取ることで顎関 節を調整し、偏った力を取り除くだけで、姿勢は驚くほど伸び余分な贅肉も自然と落 ちてくるものです。 もし、最近何となく気力が出ない、疲れやすい余分なところに贅肉がつき始めたと感 じているなら、そのときは少なからず姿勢が崩れてきつつあるときです。一度自分自 身の顔やプロポーションを鏡に映してチェックしてみると良いでしょう。おそらくそ れはバランスの問題です。 2、顔の輪郭 顔を見るとその人の健康状態がわかります。鼻は左右に分かれた肺臓に似ています し、うつろになったり充血する目は肝臓に似ています。また、口はよく動く胃に似て いますし、耳の形は正に左右にあるソラマメの形をした腎臓の形にそっくりです。 形や働きが似ているだけでなく、内臓の変化をもよく現します。 風邪を引くと最初に肺に似た形の鼻がムズムズしますし、酒を飲みすぎるとその兆 候はまず肝臓に似た目に現れます。胃が重くなると話す気もなくなり口が重くなりま す。逆に、いいたいこともいわずに我慢し続けていると胃が重くなってもきます。 東洋医学ではこのような関連性が宇宙の星々にまで延々と続いてゆくわけですが、 この顔のバランスに焦点を当てて、この関連性を現代流にお話してみたいと思いま す。 以前、顎関節の左右のアンバランスが背骨と歯茎の両方に負担をかけ、その弱いほ うのどこかが集中的にダメージを受け、自律神経失調症や背筋の痛みを始め数多くの 症状の原因になることを説明しました。この顎関節の異常が、顔のバランスにも大き く影響していることが最近の歯科医師と私たち鍼灸師との共同研究でも明らかになっ ています。 たとえば、右の顎関節が奥に入りすぎてくると、無意識に頭が右に傾き、同時に目 線が傾いて下になった右目が顎関節のほうに引かれて小さく、逆に左目は力なく、と ろんとした涙目になる傾向があります。 また右顎の周りに偏った力が入るので偏頭痛を起こしたり、右耳が耳鳴りしだした り、右を振り向くと目眩を感じたり、口が微妙にゆがんだりして顔の周りが気になっ て落ち着かないといった、アンバランスで不安気味な顔になります。 またこの顎関節のバランスが前後にずれ、その異常が両方にあると目の下がはれ ぼったくなったり、顎の周りに持続的なストレスがかかるため喉を押さえつけ声に張 りがなくなったりして全体として気力のないぼんやりした表情になっています。 この顔のアンバランスに関しては、顎関節そのものが悪いのではなく、顎関節の前 後左右の動きがバランスしていないためです。もし、自分の顔や首・頭の回りがしっ くりしないで気になる人は、一度顎のバランスを調べてみるとよいと思います。 3、気持ち 病は気からと言いますが、ではその気って何? といわれてもよく説明できる人はい ません。 このことを気持ちという観点から説明してみたいと思います。 私たちはよく気持ちがいいとか悪いとか言いますが、どこが? と聞かれると頭の辺 りとか、その位置を示すことができます。 このことは、誰でも少なくとも自分の身体の中においては気の状態を、じかに観るこ とができるという証明です。 いっぱんてきに通その気を感じることができても、ただ受身で何もできないと考える 傾向がありますが、それは違います。 身体には軸というものがあり、その軸上にいくつかのセンターがあります。このセン ターが後ろにずれた身体の使い方をしている人は、決まって腰痛に悩まされていま す。この場合、気持ちを下腹の背中側から中心を通ってお腹側に向けるように意識し ます。 痛い腰に関心を置きすぎるため腰痛はなかなか治りませんが、この事に心がける事と 今までの倍以上の速さで回復するでしょう。はり治療は、その人の気持ちの位置を無 意識的に修正しています。 この身体の中心線上の各センターは、太陽光線がプリズムを通ると7色に分かれ、 1つの音が7音階に分かれて収束するように、7つあり、それぞれの性質と傾向を 持っています。 おもしろい事にこの7つのセンターは、前歯から奥歯までの7本の歯の歯軸と、規 則正しく関係しています。 つまり下腹のセンターで言うと、気持ちが下腹の中心にあるとき、下腹がもっとも 気持ちのいいオレンジ色の感覚、音で言うとレというパワーの音階、歯でいうと前か ら数えて5番目の歯が、しっかりとかみ合います。 他にももっと多くのことが、気持ちの変化によって自動的に起こります。古代から もっとも微妙な力がもっとも大きな力を有しているということが言われていますが、 これは気持ちの事ではないでしょうか。 4、四十肩 歳も四十を越える頃になると、ちょっとした捻挫がなかなか直らず運動不足を余儀 なくされ、本格的なおじさん、おばさんになってしまうということが多々あります。 特に四十肩、五十肩というのは腕を動かす角度によって激痛が走りますので、ひどく なると洋服も一人で着られない眠れないということになるため、精神的にも落ち込ん でしまいます。 これは肩関節周囲への石灰の沈着とか関節のズレ、筋肉や腱が硬くなったことなど が原因といわれていますが、それは結果であって、本当の原因は身体全体の姿勢のひ ずみにあるというのが私たちの見解です。 この四十肩には代わった特徴があり、あらゆる物理療法や湿布、筋弛緩薬などを試 しても治らなかった症状が、1年から2年ほどで忘れたように治ってしまったという 例が多いのです。 手や腕は、動物の前足のような重力はかかりませんので、ひざ関節や腰椎のように 消耗することが少ないため、身体の歪みが軽減されると手かせが取れたように消えて しまいます。 しかし、1年も2年も激痛を我慢するのは大変です。また自然の揺らぎが体のゆが みを緩めてくれる保障はありません。そのため直そうとするなら、まず自分の身体の 歪みの傾向を知る必要があります。 この四十肩の傾向は、肩関節の位置が本来の位置よりも少し前内方で窮屈になってい ることがほとんどです。そのため後ろから見ると左右の肩関節までの長さがかなり違 うのに気がつくと思います。 肩というのは、肩から頭までの筋と肩から手の先までの筋の、天秤でいう支点になっ ています。その支点である肩の位置が身体の中心に移動すると肩から腕のほうにバラ ンスが傾きますので、腕が重くてたまらないということになり、逆に肩が落ちて中心 から遠く位置すると首筋が凝って頭が重いということになります。 このときもし無理に動かしたり揉んだりすると、ピッタリと密着しているはずの関 節面が不自然な接触を作って骨を引っかいたような激痛になります。 このバランスに起因する症状は、バランスを補正するのが最も良い方法かと思いま す。量子場調整は単に痛かったり凝ったりした筋を和らげるための物理療法ではな く、この支点そのものをほとんど患部には触れないほど微細なタッチで行う治療法で す。 5、顔のかたち 顔の形は顎の状態と直接的な関係があります。そのことを簡単に説明してみたいと 思います。 顔の輪郭や表情は顎の状態によっていて、子供のころはほとんどが正中に位置して いるため、普通は笑顔が自然で綺麗ですが、大人になるにつれ様々な因子によりズレ ゆがむ傾向があります。 大人になるに従って普段の姿勢の悪さや、慢性的な腰痛や寝違え、また歯を抜けた ままに放置したり、歯の詰め物が合わなかったりすることで、顎の位置がずれて自然 な顔を失ってしまうことが多いのです。 そのほかに一般的に知られていない顎がずれる原因は、むちうちや打撲などの機械 的な衝撃や尻餅をついたときの尾てい骨への衝撃、また精神状態が大きなところでも あります。 頭蓋骨にぶら下がるように在る顎は、特定の軌道を描いて運動していますが、これ らのアンバランスな力や衝撃によってこの軌道からわずかに外れても頭痛やめまい、 吐き気、肩こりなどが始まり、同時に顔の形も上下、左右、前後へと少しずつ歪んで きます。 そのゆがみがある限界を超えると顔面神経が麻痺したり自律神経が失調したりしま す。ちょうどブランコの運動がある限界を超えると左右の鎖がからんだ状態でひどい 状況を起こすのに似ています。 多くの場合、右顎が奥につまり圧迫されて動きがとれず、左顎は押し出されて弛緩 しゆれ動き、安定のない状態になります。このような状態は事故の衝撃だけではな く、顎のアンバランスによって自然にも引き起こされる傾向もありあます。 私たちの顔は、だれしも完全に整っている必要はありませんが、本来の自分の完全 にバランスされた顔を知っておく必要があると思います。 基準を知っていなければいつの間にか歪みの限界を超えてしまうからです。その限 界を超えることで自律神経失調症を始めとして肝機能障害や子宮筋腫など、まったく 関連性のないような症状も作り出す事が最近認められております、 その歪みを整える方法は確立されつつあります。 この調整は歯科治療が必要な場合もありますが、ほとんどの場合は必要ありませ ん。 軌道がぶれていると完全な歯列になっていたとしても歯の噛み合わせや歯茎は大き く揺さぶられるため顎運動の軌道の前後左右のバランスを取り戻すことが第一優先さ れます。 顎の歪みは顔の形と直接的な関係にあり、もう一つ精神的な弱さにもとても大き な関係があります。 最近、笑顔が少なくなった気がするなら、その原因は人間関係の前に顎位の歪みが あるのかもしれません。 6、ヒップアップ パーツとしての1つ1つの骨の形は、成人した身体の場合、一生を通してほとんど変 りませんが、その組み方はいくらでも変ります。 特に身体の要である骨盤は後ろに傾いたり、前に傾いたり、ねじったりして変化し身 体を支えますので、それにともない腰回りの肉付きやそのかたちも大きく変化しま す。 もし、骨盤が後ろに傾いているとお尻は必然的に垂れてきて、どんな運動をして頑 張っても、横に大きくはなっても上に向かってアップすることはありません。 また逆に前に傾くと少し運動しただけで腰痛を起こすため、それが原因で運動嫌い になり背筋が弱るという悪循環の中で、お尻も元気なく垂れ下がってしまいます。 そのため、ヒップアップしたかたちの良いお尻であるためには、骨盤が横から見て も前から見ても垂直に調整されている事が必要です。 では、骨盤だけをまっすぐに調整すればそれでよいか? と言うとそれだけではダ メです。 骨盤が真っ直ぐになっても、立ったときに肩が右肩下がりであったり左下がりで あったりすると、重い頭が方の下がった方に移動しながら反対に倒れこみます。そし てそれを支えるように骨盤が傾いてしまい、長い時間をかけて骨盤を調整してもすぐ に戻ってしまいます。 もし、骨盤だけを基準にしたり、電気ショックでお尻の筋肉の張りだけを基準にし てヒップアップすると、お尻の形が横に平たくなったり、角ばったりして自然な放物 線を描いたラインにはなりません。骨盤は単なる身体の部分ではなく、身体全体の中 心位置する要であるため、全身のバランスが取れないと引き締まる事は難しいので す。 骨盤調整の前に直立姿勢で立ったときに頭の位置を骨盤の中心に合わせる頚椎や顎 の運動を調べその後に骨盤調整や筋調整をします。その事で全体的な視点が得られ、 身体全体、身体の重みを仙骨の中心に乗せるようバランスを育てる事で、丸みのある 自然な形でヒップアップしてきます。 骨盤が引き締まると美的に良いだけではなく、健康的にも精神的にも強くなります ので、これはどんな人にも勧められることと思います。 健康状態は顔の色艶で分かるものですが、その人の美や活力、生き様はお尻の形に 顕れますので要注意です。 7、 顎の歪みが身体の歪み 歯のかみ合わせは背骨の噛み合わせの代表です。 これは内臓が弱ったり姿勢が悪かったりし背骨が曲がってくると、歯槽膿漏や歯肉 炎を作りながら歯の噛み合わせがずれ、反対に歯が抜けたり噛み合わせが悪いまま治 療が終わってしまうとあごをねじりながら背骨を曲げていくという事実からの定説で す。 そのため私は背骨のゆがみと歯の噛み合わせを同時に診ておりますが、最も注目し ているのは、この背骨のゆがみと歯の噛み合わせを自ずと調整している顎関節とその 円板状態です。 顎関節とその間にある関節円板は身体のバランスにとって非常に大切な関節です。 背骨が多少曲がっても、歯の噛み合わせが多少ずれてもそれほど辛い事はありませ ん。 しかし、顎関節がその調整できる限界を超えると非常に辛くなります。なぜなら、 のどの辺りが圧迫され、生きてゆくのにもっとも基本的な呼吸と脳の血液循環が阻害 されるため、自律神経や心臓に大きな負担をかけはじめるからです。 身体は多くの場合無意識的に呼吸を第一優先し、そのためのどの気道を広げようと してのどを前あるいは左右どちらかに押し出すようにするため、背骨がそれにあわせ て猫背のように曲がります。もし顎関節のバランスが悪く、どちらか一方だけがその 限界を超えていると背骨がねじれて首や肩、背中が非常につらくなり頭痛やめまい、 耳鳴りなど、ありとあらゆる辛い症状がでてくる事になります。しかし背に腹は変え られないのです。 もし、この顎関節周辺に負担がかからないように十分な管理をすることができるな ら、人は年をとっても聡明に若々しく生きる事ができます。ここで顎関節に負担がか かっているかどうか調べる簡単な方法をご紹介しておきます。 耳穴に小指の腹を前に向けて入れ、口を大きく開け閉めして見ます。このとき小指に 感じる大きさが開けたときは少し大きく、閉めたときは小さくなりますがこの差が小 さいほど良好です。もしこの時、軽いクリック感が感じてもそれほどの問題ではあり ませんが、カクカク、カクーン音が感じられる場合は、早めに修正する必要がありま す。 この場合、原因は歯科治療であれ、事故、顎頭、学関節円板の消耗であれ、まず顎 のバランスを修正する必要があります。 8、歯のバランス 現代人の歯は、虫歯より歯槽膿漏をはじめとした歯周病によって失われることが多い ようです。この歯周病は、歯石や口の中の細菌よりもストレスや顎の偏位が大きな原 因となっています。 この事をバランス医学の視点からお話してみたいと思います。 バランス医学にとって歯はとても大事です。しかし、もっと大事なのはそれを支えて いる顎の運動です。 背骨のバランスも大事ですが、上下の歯列は外側に出た唯一の骨群であり、身体の正 中にある関節の中で最も高い位置にある関節だからです。脳が身体の神経を支配して いるのと同じように、身体の骨組みを支配しているのは上下の歯列と顎の関節を含め た運動です。 右で食べ物ばかり噛む顎の運動のクセができると、右肩が下がり、頭はバランスをと るために左に倒れてきます。 もしここで頭が反対の右に倒れてしまった場合、不自然となり肩こりだけではなく、 右側にひどい頭痛を引き起こす事になります。またこの偏った顎の運動で歯は偏った へり方や弱り方をしますが、そのダメージが下の歯にある場合は骨盤に、上の歯にあ る場合は頭蓋骨に直接伝達されます。 下の歯は陰気に、上の歯は陽気に関係しているからです。 つまり顎の運動が偏る事によって身体が揺さぶられ、同時に歯も本来の歯軸ではない 方向に揺さぶられるのです。 普通は歯がぐらぐらするとその歯自身が悪いと思いますが、多くの場合、この歯のゆ れは顎の偏位による顎全体の揺れが原因です。 もし顎が偏位しているのに歯が揺れていないとしたら、背骨や骨盤がよりいっそう揺 さぶられますので、自律神経失調症や腰痛などの様々な症状が慢性的に起きているで しょう。 量子場調整は、この顎の偏位を調整する技術を確立しています。 それは量子場によって身体全体の状況や症状のすべてを同時に調整します。、顎関節 は頭と体との中心点つまりバランスの支点であるためとその支点に直接働きかけると 自律神経失調を誘発する悲惨な状況を造るため身体の回りから量子のような微細で正 確な力が必要です。 9、感情の害 私たち日本人は西洋の人たちに比べ、感情の表現が乏しいといわれますが、だからと 言って感情が豊かではないということではありません。 感情は内なるエネルギーですから、抑圧するとどのようになってゆくか、また心や 体とどのような関係があるかを量子場の観点から説明してみましょう。 人はだれでも、思い想像する能動的な力と感覚や感情的な受動的な力の2つの間で 密接な関係にあり、思いをめぐらし想像する内容が感情的にしっくりすると、エネル ギーに満ち、容易にその思いが現実になってなって行く傾向がありますが、逆に感情 的にしっくりしないときは、無理して行動を起こしてもストレスだけが残り、ひどい 時は自信を喪失して感情までしぼんで行く事は誰しも経験済みです。 この感情がしぼむということは、身体でいうと心臓や肝臓、腎臓などの臓器が一時 的にもその機能を低下させ、これらの臓器がわずかづつダメージを受けます。 そのため傍らか見ていても、感情を押さえているとき姿勢がわずかに崩れるのを観 る事が出来ます。 このような心と感情、身体の一連の関係は、普段見逃されていることですが、この 関係が修復されないでいると姿勢のゆがみとして身体に定着して現れ、いずれ腰痛や 肩の凝り、その他多くの内臓疾患や失調に波及していきます。 つまり病気や症状の多くは感情の歪みでもある事を知り、意識的にも無意識的にも 私たちは感情を害さないようにと考えるのですが、これがなかなかうまくいきませ ん。 量子場の観点から提案できる事は感情を害さないようにがんばるのではなく、それ を許し無視するという事ですが、その事も難しい事であると思います。 より簡単には本来の姿勢のなかでの無視することが必要です。ゆがんだ姿勢ではお もぐるしい感情はつのるばかりで開放されません。 感情は本来、経験のエキスであり、蓄積された叡智でありますが、それはその感情 が身体から解き放された時、量子の場が脳の中に叡智として残すものなのです。 それがために感情は生かされるべきであり、病気の原因として終始すべきではない 事は承知の事実です。 10、からだと地球 地球は私たちと同じように生きているのかもしれません。 では、この生命力を持った地球が同じく生命力を必要とした体とどのように関係し あっているのでしょうか? このことを量子場の観点から簡単にお話してみたいと思います。 量子場では文字通り量子の場が問題になりますが、何をもっての量子なのでしょう か? それは地球と体の間に自然とどこからともなく湧き上がるように重力子といわれるグ ラビトン量子です。 私たちはこの地球上に重力を介してつながっていて、もし重力がなかったらバラン スということも、地球との結びつきもなくなります。 この結びつきが、この足裏を介してちょうど吸盤のようにぴったりと大地と繋がっ ているなら、その人の健康は確かなものになります。しかし現代人のほとんどは、窮 屈な靴や姿勢の崩れから、足の形そのものがゆがんでいたり重心が足の中心からずれ ているため、大地のエネルギーを十分に吸収できずにいます。 私たちの背骨の1つ1つの間に湿り気のある椎間板があります。この椎間板を介し て骨と骨がぴったりくっついていて関節が自由に運動することができます。 このことを可能にしているのも重力子の働きです。もし、この2つの骨の間に隙間 ができて離れてしまうと、その周りの治癒力が低下しますので痛みをはじめとして、 運動機能の低下や腫瘍など、いろいろな症状が出てきます。 また重要なところとして吸盤のようにぴったりとくっ付いている所があります。それ は口の中の上顎と下顎です。 ちょっと実験してみると分かりますが、唾液を飲み込むとき、舌は上顎と下顎の空 間にぴったりと収まり、吸盤のように離れなくなります。これは背骨の1つ1つが柔 らかで湿り気のある椎間板をはさんでぴったりとくっついているのと同じ構造になっ ています。そのため、口を閉じても開いてしまう人はボケ気味なってしまうでしょう し、背骨の関節も離れやすくなっていますので、体の状態も悲惨な状態になります。 古代の人たちはたちは、意識の座である脳から上を、遠く星座を含めて天といい、 下顎から足の裏までを人、大地である地球を地といい、この天人地の合一を目指して いたのですが、具体的には、この関節のバランスを整え姿勢を正すことだったのです が、その方法は現代のように物理的な整体方ではなく、意識そのものを用いたので す。 愛情をもった意識が不思議にもグラビトン、グルーヨンといった重力子をも変化さ せることを知っていたからです。 11、脳の良し悪し 私たちの脳の良し悪しは、脳の優秀さより、脳がどれだけ活動しているか、であると 昔から言われています。 現代人はなんとなくモヤモヤしていて頭を使う気にもなれない、ということも多いの ですが、実際一生を通して脳細胞の数パーセントしか使っていないことが科学的にも 明らかになっています。つまり私たちの脳は宝の持ち腐れというわけです。 今回は、この脳の働きがどのような理由で低下し、逆にどのような方法で取り戻せる かについてバランス医学の視点からお話してみたいと思います。 私たちは、脳の良し悪しを記憶力や論理の巧みさなど、頭の中だけの働きで云々する 傾向があります。 しかし脳の機能はもっと広範囲に広がっていて、現在という瞬間を捉える直感やバラ ンス感覚、子供や女性の快活さや美しさも脳の働きと大いに関係があると言われま す。 東洋医学ではこれらの脳のすべての働きに関係しているのが頭の位置とその状態で す。 陰の気の流れは、大地から足の中心を真上に上がって上顎の上に位置する脳下垂体 脳を潤します。もしこの時、頭が足の位置より前に位置するような立ち方をしている 場合、頭は同様に前傾しますので目の辺りがも重くなってきます。 逆に後ろに位置するような場合、脳内の脳液が後方に偏る事になりますので緊張 し、いつもボーっとした感じになる傾向があります。また頭が複雑に傾いている場合 も当然それなりの傾向を持つことになります。 つまり姿勢は脳に大きな影響を及ぼすのです。訓練猿は最初に立って歩く訓練を何 日も続けるといいますが、これもこの辺に関係あるのかもしれません。 脳に関して、もうひとつ大きな要素があります。 それは発音です。 あいうえおの母音のうち「イ」と「ウ」は上下の歯が触れるぎりぎりのところを滑 走し、「イ」は顎が奥に引かれ、「ウ」は顎を前に突き出し音の陰と陽を創り出しま す。 歯のかみ合わせは、この顎の運動を基準にしていますが、この発音がスムーズにで きないと話をするたびに頭が揺れて脳にストレスがたまります。逆にこの発音を、口 をゆがめたり頭を揺らすことなくきれいにできる人は、頭も笑顔と同じようにすっき りしているはずです。 つまり脳は身体や顎の運動と一体になっていて、これらのバランスによってしっか りと保持されていなければ、ストレスでいっぱいになってしまうのは当然の理です。 12、虫歯と身体の関係 バランス医学にとって歯は大きな問題です。 虫歯や歯槽膿漏を放っておくと、歯はいずれなくなってしまうからです。歯を削った り抜くという事は、家の柱を削ったり取り去ってしまうのと同じですから、身体のバ ランスが尚いっそう崩れてしまうののも必然です。 身体のバランスと虫歯や歯槽膿漏の関係性について述べてみましょう。 大工さんたちは、家を建てるときまず柱を組み立てます。その後に様々な材料で家を 構築し完成させます。 人も骨組み基本ですが、家と人の違いは、家は動かないのに対し、人は動き回るとい う事です。それも2本の足で飛んだり跳ねたりもできるのです。 それを可能にしているのが歯同士の接触や顎の運動なのですが、ここでは、この逆に 顎の運動がなぜ、虫歯や歯槽膿漏と関係しているかを説明してみたいと思います。 宇宙飛行士のように無重力状態で長い期間、生活をしていると骨が分解して脆く なってしまうことが分かっていますが、最近この事から新しい発見が生まれていま す。 それは骨はある決まった方向から刺激を受けていないと脆くなるという事です。あ る方向とは、骨の軸に一致していますが、人が立っている姿勢だと、その人の軸とほ ぼ同じになっています。 ですから、よい姿勢で歩いたりジャンプする事は骨を丈夫にするという事になるわけ です。 これは歯も骨ですから例外ではありません。 顎の運動が垂直になることで、歯が垂直に刺激されて丈夫になります。しかし偏ると 歯にかかる刺激も垂直ではなくなってきます。そうすると歯そのものが摩擦によって 熱を帯び歯根が揺さぶられ非常に早く脆くなります。そのことで、虫歯や歯槽膿漏が 多発する事になるのではないでしょうか。 歯をよく磨いているのに虫歯がやたらとできる、歯が浮く、歯茎が腫れてうずく、 また口を大きく開けると顎がカクカク音がするなどのとき、一般的に歯を問題にしま すが、顎位や姿勢バランスを疑って見てはいかがでしょうか。 13、腸と姿勢の関係 この腸と体全体のバランス関係についてお話してみたいと思います。 私たちは普通、腸の調子が良くないとき、腸そのものを心配しますが、その下で支え ている骨盤や、後ろで湾曲しながら支えている背骨のことはまったく気にしていませ ん。私たちが見る限り、腸の多くの症状が骨盤をはじめとした身体全体の姿勢に起因 していることは明白です。 このことを少し詳しく説明してみたいと思います。 腸はお腹の中で浮いているわけではなく、筋膜で包まれ、その筋膜が骨盤や背骨だけ ではなく手足の末端にまで延びて支えています。そのため姿勢がゆがむと腸を包んで いる筋膜もゆがみ、そのストレスが腸そのものに失調が起こりやすい状況を作り出し ます。 この腸を包む筋膜のストレスと骨盤の関係は、骨盤が前に傾斜すると背中側にある腸 にストレスがかかり、炎症や下垂が起こってくるため、腰痛や痔になったりします。 逆に骨盤が後ろに傾くと、お腹側にある腸の筋膜が引き伸ばされるストレスを受け、 子宮筋腫や膀胱炎になりやすく、腸にやたらとガスがたまったり、お腹がせり出して きて下腹部からソケイ部、ひざにかけて痛みや違和感を訴えるようになります。 腸はまた、腹膜や腹筋に包まれて支えられているため、背中の背筋群とバランス関係 にあります。そのため筋膜のストレスで腹膜や腹筋が弱くなると、背筋が緊張して腰 椎をお腹に押し出し、腰の湾曲が骨盤に近いところで急に強くなってきます。 そのような状態で運動をすると、腸の筋膜からつながった足やひざの筋が限度に近い ほど伸ばされているので、決まってこれらの筋がつって伸びなくなる坐骨神経痛に見 舞われます。 このような一連の症状は腸が直るとすべて消えるというものではなく、体全体のバラ ンスを整えない限り、さまざまな症状を入れ替わり作り出し、いつまでも消えませ ん。 腸は体の中で最もストレスのかかる臓器であり、しかもお腹の中心に位置してほとん どすべての臓器に接しているため、周りの臓器にストレスを広げてしまいやすいので す。 このような意味でも私たちは本来の姿勢を取り戻し、維持する必要があるのではない でしょうか。 14、関節痛は気力減退に通ず 関節の痛みが気力を萎えさせるということを説明してみたいと思います。 誰でも一度は足首や指の捻挫を経験したことがあると思いますが、このとき痛みと同 時に気力が萎えてゆくのを意識的に感じたことがあるでしょうか? 屈強なプロレス のレスラーでさえ関節技が決まると情けなくギブアップをせざるを得ません。 私たちはなんとなく気力がわかないのをストレスや年齢のせいにしますが、体全体の 姿勢が崩れて方々の関節がゆがみ、捻挫に近い状態にあることに気がつかないでいま す。関節がねじれて、気力を持ち続けることは誰にもできません。 気の流れは、関節の周辺では骨に近い腱のような組織の中を通っていますので、関節 がねじれたり、ずれたりすると腱が緊張し気力が萎える仕組みになっています。それ は関節を守るための大切な仕組みでもあります。 しかし関節が長い間ゆがんでいると、その周りの骨が変形すると同時に、骨の質もそ の熱で次第に変化していきます。 このことからも骨を丈夫にするためにカルシウムや良い水をとることは大切なことで すが、もっと大切なことは体のゆがみに気をつけることです。 捻挫ぎっくり腰ね血などの捻挫が、なかなか治らないの自然に任せているのであれ ば、できるだけ早く治す努力をすることをお勧めします。同じ治るにしても一週間で 治すのと何ヶ月もかかるのとでは骨の質一つをとっても、後々、雲泥の差が出てくる からです。 子供の骨組みは上へ上へと持ち上げられ、大人になると骨組みは崩れる一方になりま すが、どちらも姿勢に気をつけ関節にかかる負担を最小限にすることが骨を守り気力 を保つ方法です。 肩こりや頭痛、特に自律神経失調症は頚椎に微妙な捻挫を起こしています。そのため 気力が低下し、頭が常に熱っぽく、のぼせたような状態が続いています。 このような症状は身体全体の姿勢の崩れから直さなければなかなか治りません。も し、このような捻挫の症状が3週間以上続いているようなら一度体全体を丸ごと見て 治療することをお勧めします。 15、バランスの問題 中年近くなると姿勢の崩れを方でかばうためクビから肩の線が丸みを帯び、同時に 上半身が少し前に傾いてきます。その崩れを骨盤を開いてかばうため、自然に足も少 し開いて歩くようになります。結果、肩こりや腰痛、自律神経失調症や神経痛、内臓 下垂、ひざの痛み、固太り中年太りなど、ありとあらゆる老化現象が出てきてプロ ポーションを気にする余裕など無くなってしまいます。 この姿勢の崩れの方向をはっきり捉え元に戻せたら、多くの症状が消えていくばかり ではなく、自分自身のライフスタイルをも取り戻せるでしょう。このことについて簡 単に説明してみます。 身体の水平感覚をコントロールしているのは両耳の奥にある三半器官です。私たち鍼 灸師の見方からすると、身体の姿勢を決めているのは両方の三半器官の間にある顎と 足の指の位置、そしてその運動です。 身体を前に動かそうとすると、その前に顎がわずかに前に動き足の指がその動きを支 えます。右に動かそうとすると、その動きの前に必ず顎が右に動き右足の五本の指の うちのどれかがその動きを微妙に支えます。 重い荷物をその場で持ち上げようとすると顎は歯をかみ合わせ、その位置を固定し足 全体がその重さを支えます。逆に身体が誰かに押されたりして前に倒れ掛かったとす ると、顎が前に出てきて身体を支えるように働きかけます。 このとき、顎の動きが偏ってスムーズな動きができないと、どんな頑強な人でも偏っ た力の反対方向に身体全体が自然に崩れてきます。 そのため、その人の顔のバランスや姿勢を見ると、その人の顎にどのような偏った力 が入っているか知ることができます。また首回りの特定の筋の凝りを取ることで顎関 節を調整し、偏った力を取り除くだけで、姿勢は驚くほど伸び余分な贅肉も自然と落 ちてくるものです。 最近何となく気力が出ない、疲れやすい余分なところに贅肉がつき始めたと感じて いるなら、そのときは少なからず姿勢が崩れてきつつあるときです。一度自分自身の 顔やプロポーションを鏡に映してチェックしてみると良いでしょう。おそらくそれは バランスの問題です。 16、骨盤の負担 犬や猫などの四脚動物はもちろん、サルや鳥、魚類を含めた動物も、すべて腕に当た る部分を移動手段として使っています。人間だけが2脚で全体重を支え、移動し、腕 を歩くために使うことはしません。そのために人間の骨盤には多くの負担がかかって います。 この特異な人の骨盤について、動物および他の器官との関係性からお話してみたい と思います。 動物と人の骨盤の違いは、犬や猫が後ろ足で立っているところを想像してみると判り やすいでしょう。 彼らは足が伸びきらず、ガニ股であるのに気がつきます。これは骨盤が水平に位置し ているからです。人間に一番近いサルの骨盤は、直立してはいませんが垂直に立って いる人の骨盤と、犬や猫のそれの中間に位置します。 人の場合、普通、真っ直ぐに立っていますが、骨盤が開いてきますと犬や猫の動物が そうであるように、骨盤と一緒に体全体が前傾してきます。 動物のように手で支えるわけには行きませんので、顎やお腹を前に突き出したり、足 をガニ股にしたりしてバランスをとります。 最近の研究ではこの無理な姿勢を続けると、心臓や腎臓などの内臓の位置が全体的な バランスをとるために背中側に移動し、背中の痛みやさまざまな病気の原因になるこ とが報告されています。 つまり、人の健康は真っ直ぐな良い姿勢が基本であることは言うまでもありません が、このことでもうひとつ私たちが気づいていない関係性があります。 それは姿勢が前傾すると無意識に顎に力が入り、歯を食いしばることです。ほとんど の動物は歯列を食いしばっているためによだれを流している傾向がある事からも理解 できるのではないでしょうか。 そのため顎や首の周りが緊張して自律神経失調症や胃潰瘍になったり、口の中が虫歯 や口臭でいっぱいになったりもします。逆に言うと人が真っ直ぐに立つことで自由に なるのは手だけではなく、顎も動物のようにかみ締めていなければならない不自由か ら解き放たれるのです。 東洋の文化である禅や武道、茶道などそのほとんどが骨盤を締めろとは言わず脇を締 め顎を引くようにいいます。 なぜなら、顎と骨盤がはっきりと連動していて、その状態が体全体の姿勢、気力、感 情、病気の状態をも決めるものだからです。私たちはこれを相同関係といい、バラン ス医学である鍼灸医学が長い時間をかけて見つめてきたことなのです。 17、坐骨神経痛 神経の痛みは、歯の痛みにしろ三叉神経痛にしろ耐え難いものがありますが、一番多 い腰痛や坐骨神経痛にスポットを当ててみたいと思います。 腰痛は、ウエストを中心とした腰の痛みとお尻の付け根から太もも、足首に連なった 坐骨神経痛の痛みと分けることができます。 前者の場合は、身体が前に傾いている傾向があり、逆に坐骨神経痛の場合は、反って 歩いている傾向があります。つまり、身体が前傾すると背筋に負担がかかり、反ると 神経に負担をかけるのです。 どちらも背骨のアンバランス原因していいますが、一般に言われているように腰の骨 や坐骨神経が悪いということではありません。痛みを止めるということでは、その部 分に麻酔を打てば一時的に止まります。しかし原因は取れません。 長い時間、腰を前屈みにしていると当然、背筋が痛くなってきます。 しかしこの原因は腰にあるのではなく、その姿勢にあります。姿勢のゆがみが腰に負 担をかけているということで、姿勢を直せば腰の痛みも消えます。 つまり本当の治療とは、崩れた姿勢を力学的に整えるということです。 姿勢を整えるのに二つの方法があります。 ひとつは鍼や指圧でたまった疲労を早く回復させ内側から力をつけること。 もうひとつは習慣にまでなってしまったその姿勢を無意識レベルから修正することで す。 その人の骨組みである姿勢は歯の噛み合わせによって保持されています。厳密に言 うと顎の運動が歯のかみ合わせを決めます。一般的に思われているように歯牙や歯列 によってかみ合わせが決まってしまうわけではありません。 慢性的な腰痛や肩こりを持っている人は、主に痛む側の歯で食べ物を噛んでいます。 特に坐骨神経痛の人は腰の痛む側の一番奥の歯だけが強くあたる噛み方で噛んでいる でしょう。 奥歯は骨盤と連動していて、そこだけに大きな力が加わると顎のゆがみが骨盤をねじ るように働きます。しかし、歯医者さんに行って歯を治したとしても、その腰痛や肩 のコリが直るは限りません。問題は顎の意識的な運動にあるからです。 この顎調整は、歯のバランスではなく顎の運動バランスですので、歯を削ったり抜い たりする必要はありません。歯を直して悪いところはないのに、ひどい腰痛だという ことがありますが、それは顎の運動バランスが偏っているからです。 18、歯のかみ合わせ 歯は大丈夫と思っている人も含めて、99%の人が歯の噛み合わせによってさまざまな 影響を受けています。 一般的に、歯の噛み合わせは歯によってきまると考えられ、歯の高さや歯並び、ある いは歯の詰め物などを気にしますが、その下で支えてる顎のことは誰も気にしませ ん。しかし実際は、歯のしっかりとした噛み合わせは、歯そのものより体の軸で変化 し、身体と歯列が調和する事で得られます。 歯が抜けていて周りの歯がぐらぐらしていたり、入れ歯が合わなかったとしても、身 体の軸を補正することで噛み合わせは不思議なぐらいしっかりとしてきます。 顎の位置、運動は体の姿勢、運動に正確に即応しているため、身体のバランスが良い と顎の運動はあらゆる方向から顎の中心に向かい、バランスが取れ、しかも引き締 まった運動ができるからです。 逆に1本も治療したことの無い立派な歯並びと歯質であっても、身体の軸がずれる と、かみ合わせだけではなく、歯が倒れてきたり歯茎の形までゆがみ、歯茎がはれだ したり、口内炎でいっぱいになったりします。また顎関節は関節の中で最も稼動範囲 が大きいため、顔の輪郭までゆがみます。 つまりかみ合わせに関しては、歯そのものより、その土台である顎、強いては姿勢が 大きな要素なのです。 最近、姿勢のゆがみや顎の違和感、歯茎の痛みなどを訴えて来院される方が増えまし たが、私が行っていることは、顎の運動を身体のリズムに合わせているだけで、歯や 顎関節を調整しているわけではありません。 それだけでかみ合わせと同時に身体の症状が改善されます。これは歯の噛み合わせは そのものだけによって決まるものではないことと、身体の諸症状が顎と一体であるこ との証明でもあります。 遠い昔から、私たちの先人たちが姿勢や立ち居振る舞いをうるさく言ってきたのは、 優雅さや病気の予防だけではなく、歯を守るためでもあったようです。 しかし現代人は姿勢や身体との関係がまったく分からず、歯だけを悪者にしていつの 間にか人工の歯に入れ替えてしまいます。これでは姿勢の悪さと顎や歯の痛みを創造 しているようなものではないでしょうか。 19、重い感じや帽子をかぶったようなモヤモヤ頭痛 頭痛は風邪を引いたときやアルコールを飲みすぎたりしたときによく感じますが、そ のうち消えてしまいます。しかし頭の重い感じや帽子をかぶったようなもやもや感、 すっきりとしない感覚は、身体全体のバランスに起因しているため、バランスが補正 されない限り寝ても覚めても付きまとう根深い症状です。 この頭の感覚と身体の関係について簡単に説明してみたいと思います。 私たちが顎補正によるバランス技術を確立して来た過程で難関だったのは、この微妙 な頭の感覚です。 普通の頭痛は、肺や肝臓に熱がこもると熱は上に上がる性質がありますので、頭に血 が昇りがんがんする痛みになります。しかし常に頭が重い感覚は熱とは関係がなく、 下を向いた動作が長く続いたり、肩が張ったり、あるいは人と話をしているとより症 状が重くなったりするもので、初めのころはどこから手をつけていいのか皆目見当が つきませでした。 しかし重心動揺装置を導入し、足の裏の接地状態や重心の動揺の状態と姿勢や顎の運 動の関係などを調べているうちに、ある決まった傾向といくつかのパターンがあるこ とに気がついてきたのです。 簡単に要約してみますと、その人の立ち方を決めてしまう骨盤の傾きは、そのままの 顎の傾きで、この傾きと頭のズレが頭がすっきりしない状況を作る、ということで す。 このズレが後方に広がる形になっていると、目の前がぐるぐる回るような頭痛にな り、前方に広がっていると、視野が狭まり頭全体が締め付けられ身動きが取れない頭 痛になります。 前者は主に、副交感神経後者は交感神経の失調を促しますが、どちらにしても自律神 経が揺さぶられ、ちょっとしたきっかけによって失調を引き起こしてきます。 また、この自律神経のうち交感神経は背筋に、副交感神経は体前面の筋群に直接関係 しているため、骨盤と頭の傾きを補正し、はりや整体技術によって血行を整えること で、改善できます。 この頭がすっきりしない状態が続くと、その人の能力は多方面に渡って制限され、勉 強や仕事をすることも、人に合うこともおっくうになってしまいます。そのことを自 分の能力の欠如としてしまいがちですが、この症状は骨盤を含んだバランスの問題で す。 20、骨盤と顎 犬や猫などの四脚動物はもちろん、サルや鳥、魚類を含めた動物も、すべて腕に当 たる部分を移動手段として使っています。人間だけが2脚で全体重を支え、移動し、 腕を歩くために使うことはしません。そのために人間の骨盤には多くの負担がかかっ ています。 この特異な人の骨盤について、動物および他の器官との関係性からお話してみたいと 思います。 動物と人の骨盤の違いは、犬や猫が後ろ足で立っているところを想像してみると判り やすいでしょう。 彼らは足が伸びきらず、ガニ股であるのに気がつきます。これは骨盤が水平に位置し ているからです。人間に一番近いサルの骨盤は、直立してはいませんが垂直に立って いる人の骨盤と、犬や猫のそれの中間に位置します。 人の場合、普通、真っ直ぐに立っていますが、骨盤が開いてきますと犬や猫の動物が そうであるように、骨盤と一緒に体全体が前傾してきます。 動物のように手で支えるわけには行きませんので、顎やお腹を前に突き出したり、足 をガニ股にしたりしてバランスをとります。 最近の研究ではこの無理な姿勢を続けると、心臓や腎臓などの内臓の位置が全体的な バランスをとるために背中側に移動し、背中の痛みやさまざまな病気の原因になるこ とが報告されています。 つまり、人の健康は真っ直ぐな良い姿勢が基本であることは言うまでもありません が、このことでもうひとつ私たちが気づいていない関係性があります。 それは姿勢が前傾すると無意識に顎に力が入り、歯を食いしばることです。 そのため顎や首の周りが緊張して自律神経失調症や胃潰瘍になったり、口の中が虫歯 や口臭でいっぱいになったりもします。逆に言うと人が真っ直ぐに立つことで自由に なるのは手だけではなく、顎も動物のようにかみ締めていなければならない不自由か ら解き放たれるのです。 東洋の文化である禅や武道、茶道などそのほとんどが骨盤を締めろとは言わず脇を締 め顎を引くようにいいます。 なぜなら、顎と骨盤がはっきりと連動していて、その状態が体全体の姿勢、気力、感 情、病気の状態をも決めるものだからです。私たちはこれを相同関係といい、バラン ス医学である鍼灸医学が長い時間をかけて見つめてきたことなのです。 21、耐え切れない抑圧 長い間インドに住んでいたことがありますが、そこで学んだことのひとつは、抑圧と は何かということです。インドの人たちは昔からカースト制度や非暴力という考え方 の影響を受けてきたせいか、社会が個人に強いる抑圧は大変なものです。しかし、日 本人の抑圧も人間関係においてはインド人に負けてはいません。 今回はこの精神的な抑圧が肉体にどのように影響していくかを簡単に説明してみたい と思います。 動物でも人間でも、ひどく怒られたり自信が無い状態が続くと、身体を縮めて歩くよ うになります。この場合、顎や胸、おなかなどからだの前の部分を縮めます。そのた め言葉遣いがうまく続かなかったり、心臓の鼓動が急に高まったり、身体全体がいつ 緊張状態にあるために過呼吸になり、のぼせたり頭がしびれたような状態になりま す。 そうこうするうちに身体全体が前に崩れて、いつも不安で疲れているという自律神経 失調症的な体質になってしまいます。 抑圧とは精神的に押さえつけるということですが、この場合、物理的にも自己表現に 必要な顎の運動や内臓の働きを押さえつけています。 そのためこの治療は、気が滞って緊張しいる顎関節や胸の周りの筋をリラックスさせ ていくことから始めます。 身体の軸を背骨に沿って垂直に伸ばしてゆきます。身体の軸が精神的な抑圧で曲がっ てしまうと首筋や背中、腰のどこかの背骨の位置がよじれ、痛み、それに結合してい るあばら骨の下にある内蔵が圧迫される、というように連鎖反応が進み、精神的にも 身体のよじれからの不快感や内臓の失調がその人の個性にフィルターをかけてしまう からです。 また男性は多少の抑圧やハングリー精神が力になることもありますが、女性にとって は体調やプロポーションを崩し、肥満やヒステリーの原因になってしまいます。これ は女性のエネルギーは男性に比べて内側から外側に向かって広がろうとしていますの で、身体の内側にエネルギーのブロックを作ってしまうのです。 これらのゆがみやブロックが進めば進むほど元気がなくなり精神的にも抑圧されざる を得なくなります。 しかし、これらが進まないように十分にケアすることは出来ますし、時間はかかりま すがこれらを取り去ることもできます。 23、自動的な反射、条件反射 私たちの体も心の働きも、自動的な反射や条件反射に大きく影響されています。 反射には、指が熱いものに触れたら瞬時に手を引っ込めるような単純なものから、 梅干をイメージすると唾液が出てきて思わず顔をしかめたり、学校や仕事のことを考 えると頭が痛くなってくるような複雑なものまであります。ここでは、この反射と体 のバランス関係にスポットを当てて、簡単に説明してみたいと思います。 体の姿勢やバランスは、無意識であるがために自動的な反射が特に大きな働きをし ています。 逆に言うと、私たちの姿勢や運動バランスは長年の反射の賜物です。そのため自然 な流れの中の運動は体に良い反射を培いますが、不自然な癖や運動、事故の衝撃など は、体の中に不自然な条件的な反射を残し、ことあるごとに体のバランスを崩しま す。 この反射は、身体のいたるところに居座りますが、その中核となるところが口腔に あります。 口の中は私たちが考えているよりもバランス的に非常に大切なところで、力を入れ るときも、ストレスを感じたり痛みを我慢する場合も、舌や歯、口の中の粘膜や唇の 運動に反射がつくられています。 もし、不自然な反射が身体に大きく作用している場合、口の運動や顎の運動がゆが んできます。逆に合わない歯の詰めものや入れ歯によって口や顎の運動に不自然な反 射が形成されると、いずれ身体に失調を起こします。 どちらにしても口や顎の運動に異常が現れますので、私たちは顎のゆがみを見て身 体のゆがみを知ることができ、また顎のゆがみを補正することで身体の不自然な反射 を取り除くことができます。 このことは、今まで歯科と口腔、体の医学が切り離され、さらに反射やバランスと いう見かたがかけていたために現代医学の盲点になっています。 このことに気づきかない限り、今の東洋医学と歯科を含めた医学が統合された、美 や運動能力の向上にも貢献できる医学が生まれる可能性はないのではないでしょう か。 23、好転反応 現代社会も現代人も非常に急いでいる、このような状況の中で、好転反応云々といわ れても理解するのが難しいかもしれません。もし良くなっているのであれば、どんど ん良くなるべきだと、考えるのも自然なことです。 この好転反応について少し説明してみたいと思います。 私たち薬を使わずに症状を改善しようとしている側にとってあらゆる症状はバランス の崩れであると考える傾向があります。 しかし実際は栄養失調や風邪のビールスのように外から来るものもあります。その 原因が外からのものであるなら、原因が消えればちょっとした疲労感を残して自然と 症状も消えていきます。しかし、原因がその人の血行や筋系のバランスからのもので あれば、バランスが戻り始めると必ず好転反応は起こってきます。 バランスが崩れていると、汚血が筋肉や筋膜あるいは腹腔内のどこかにたまってい ますが、バランスを取り戻すと、その汚血は腎臓や肝臓などの臓器に帰って血液の浄 化が始まります。このときに内蔵は、ちょうどアルコールを飲んだときのように発熱 し、敏感な人は少しめまいを感じます。 これが瞑眩といわれる代表的な好転反応です。 また、汚血がたまっているところは冷えていますが、そこに温かい血液が循環しだす と熱っぽく眠くなるようなけだるさを感じます。 これはちょうど、長い間正座をして立ち上がるとき痺れを切らす、なんともいえない 重ぐるしさそのものです。 一般的に、鍼治療は症状を抑えるものである、と考えられていますが、実際は血行や 体液をスムーズにして自然治癒力を高めているのであって、症状を押さえているわけ ではありません。これを単に症状を抑えるよりももっと価値のあることと考えていま すが、いかがなものでしょうか。 多くの場合、症状を単に取り除きたいと思ってこられますが、内側の自然治癒力を育 て症状が起きる事のない状態をお望みであるなら、時には一時的につらい好転反応を 越えなければならないのです。 24、過呼吸 人が産まれて最初にする事は身体の内側から息を吸い込むことで、死にいく最後にす ることは息を吐き身体の外から息を引き取ることです。つまり身体の内側から見ると 吸う息は生に、吐く息は死に近づくことであり、息は生と死の間の架け橋なのです。 この「息」について体と心の関係から説明してみたいと思います。 息のリズムは、吸うときには家に帰るのに吐くときは外に出かけるのに似ています。 そのため息を吸うときは感性が研ぎ澄まされ、吐くときはその考えがよくまとまりま す。 実際に息を吸うときは周りの空気だけではなく、周りの気や印象、人さえも引き寄せ ます。そして吐くときはそれらを吟味し、必要なものは取り入れ、不要なものは外の 押し出しています。つまり1回1回の呼吸で空気をはじめとした、目に見えない何者 かをも消化吸収しているのです。 何か嫌なことがって、その感情を抑えたとすると、その人は息を吸ったところで息を 飲み込むように止めます。これが精神的には抑圧した状態を創ります。 このようなことが多くなると息がゆったりと吐けなくなるので、心にも体にも消化 不良を起こしてしまいます。息は普通にしているように見えますが、浅い呼吸で「息 が上がった」過呼吸の状態になっています。 この状態にはいくつかの肉体的、情緒的な特徴があります。 第1に心も体も過敏であることです。 そのため持続的な緊張から不安感が付きまとい、自律神経が失調して熟睡できませ ん。 第2は慢性的な疲労感があり思考力が減退します。 これは吸う息と吐く息の性質から言って当然です。息が上がってくると緊張感がどん どん高まって、手や頭が震えたりしびれてきたりもします。病気の状態では多かれ少 なかれこのような浅い呼吸になっていますが、鍼をして横になって寝ていると呼吸が 深くなって手足がゆったりしてくるのが分かります。 武道や禅も息に働きかけていきますが、誰でも出来る簡単な方法があります。 それは泣いたり腹を抱えて笑ったりすることです。 よく泣く人や笑う人は胸の病気やお腹の病気が少ないことが知られていますが、これ は泣くことや笑うことで呼吸に関係の深い縦隔膜や横隔膜を内側から刺激して、気の 通りを良くするからです。特に涙をいっぱいにして泣く事はよだれや腹腔内の内分泌 が身体を内側からも浄化し、新鮮な息を蘇らせます。 25、歯と身体の関係 歯と身体の諸症状に関しては私はちょっと詳しいところがあります。 私自身、歯が元で頭痛やめまい、吐き気などの自律神経失調症と証する症状や顎関節 症、歯槽膿漏などのようなつらい思いを何年もしてきたからです。 幸運だったことは自身を鍼で治療できたこと、これを機に有能な歯科医や歯科技工 グループとの独自的な研究ができたことです。 この成果の一部を振り返って簡単にご紹介したいと思います。 私たちの歯は物を噛むためのもので、良く噛むことで脳の血行も良くなると教えら れています。それ多くの科学的なデータが示すとおり確かなことですが身体全体に とって、もっと大切なことがあります。 それは歯が顎を支えることで体を支えているということです。 これを少し例を挙げて説明してみましょう。 極端な話、歯がまったく無くなると、顎の動きが小さくなるため、身体も背中を丸 めて小さく使うようになります。逆に赤ん坊は前歯の上下が伸びて触れ合うときから 何とか立ち上がることができるようになります。 顎が傾くと脳から見て身体がそれにともなって傾くため、その状態が一定以上の期 間、持続すると頭や首、手足などの一方だけが痛んだり、しびれたりします。 顎がねじれると頭や首、手足などの更にひどい状態になります。 顎が引き締まって歯列がそれに伴ってしっかりと咬みこんでいると骨盤も引き締ま り、ヒップアップした自然なプロポーションになりますが、逆に上がっていると骨盤 が開き、姿勢が崩れ肥満や浮腫みやすくなります。 このように顎の状態=身体の状態であるといっても過言ではないかもしれません が、もう1つ大切なことがあります。 それは身体が顎に負担をかけていることです。 そのためストレスや内臓から起こってきた肩こりや腰痛を我慢して無理をしている と、寝ている時も動いている時も持続的な負担が顎にかかってくるため、それを支え ている歯が歯槽膿漏になったり虫歯になったり早く失われてしまいます。 またそれだけではなく、顎が傾いたりねじれたりもしてきますので、その症状や姿 勢などが固定化することになります。 この研究により、これらの歯や顎、身体に起きる多くの症状との関連性から、鍼や 手技によって顎を間接的に調整することができるようになりました。またそのことで 歯を守ることと慢性的な症状を短期的に取り去ること、そして骨盤を引き締めて姿勢 を矯正することもできるのですが、この事に一般医学は気がついていないのはどうし たものなのでしょうか。 26、歯科医と医者の挟間 体の重心の位置から痩身、精神状態などについても説明してみたいと思います。 重心の位置は私たちが思っている以上に大きな意味を持っていて、かかとへ重心が寄 りすぎる人は、自然とお尻やお腹が大きくなり太ってきます。 逆に重心が前にかかりすぎると体力の消耗が激しく、背筋が緊張しますので、背中 や後頭部がこわばったり手足がしびれたりしてきます。 かかとの外側に重心がかかっていると、骨盤が開いてお尻が横に大きくせり出した り、О脚になり易くなります。 また重心が左右のどちらかにずれていると、ずれた側に骨盤が開き同じ側が下が り、顎も同じ方向に偏位してきますので、顔も微妙にゆがんできます。 これらの延々と続く重心と身体の関係は、顎の位置とその運動に帰結します。 身体の重心がかかとにあるということは、骨盤が後ろに傾いているということで、 同じように頭が後ろに傾き、顎が上がっているということです。 逆に前にある場合、頭が下を向き前歯ばかりがカチカチ当たることになります。 О脚であると、さらに両肩が落ちて骨盤が開き、手の振りが大きく、同様に顎の横 揺れ運動も大きくなっています。 これらの関係は顎の運動が基準になっているのです。 つまり、股関節や骨盤、肩の位置や顔の輪郭などすべての骨格は、最も骨構造での 上位レベルに位置する顎の運動にならうのです。 顎の運動を目が水平を見る位置で横に揺れることなく、まっすぐに体の軸に沿って 開くように調整することで、重心が足の真ん中に位置するようになります。これで肩 間接や骨盤股関節などの調整が非常に楽になります。 精神的には顎の運動がゆれたり、ねじれたりすると、話しにくくなったり重心が定 まらなくなりますので、めまいや、今にも気を失うような不安感がやってきます。 片方の歯でしか噛めないような顎の運動になってくると、周期的に首の後ろから 頭、目の奥が痛くなってたまらないことでしょう。 脳卒中や自律神経失調症の原因はここにあります。 この顎の運動と重心、そして精神疾患をも含めた全身バランスは現代医学の盲点で す。なぜなら顎の運動は歯科医と医者の挟間にあるからです。 27、脳の弱点 脳は体の中でもっとも大事な部分であるがために、頭蓋骨という硬い骨に包まれるよ うに守られています。しかし、それでも多くの障害が脳にはあります。 この脳の弱点をバランスの観点からお話してみたいと思います。 普通、頭はボーリングの玉ほどの大きさと重さを持ち、8キロから10キログラムほど あります。 その重い頭を真下で背負うように支えている骨があります。それがギリシア神話に登 場するアトラス神にたとえられ「アトラス」と呼ばれている第一頸椎、そしてそれを 静かに見守りながら支える「のど仏」といわれる第二頚椎です。 この頭全体と第一、第二頸椎の3つの骨の構造は私たちにとって大きな意味を持ちま す。これらの構造上、頭が体の後ろ側にずれることは少なく、決まって前に向かって 崩れてきます。そのため人は年を取るたびに、あるいは体調を崩すたびに姿勢が前に 崩れてきます。 それはそれで良いのですが、ここで2つの問題が出てきます。 1つ目の問題はこの三つの骨を貫いて体の方々に伸びている神経の束を圧迫するこ と、もう1つは頭位置が崩れて、その重さで首の後ろの筋を圧迫することです。 神経が圧迫されると良くないのは誰でも知っていますが、頭の後ろの筋が圧迫され ることでどのような問題を引き起こすかあまり知られていはいません。この後頸部の 圧迫は肩こりや首の痛みなども感じないため、当の本人も何か変というだけで治療の 盲点にもなりがちです。 ここが圧迫されると脳が最も嫌う脳充血と頭の後方に位置する小脳が同時にストレス 状態になります。 いつも逆立ちをしているような気分であったり、頭に帽子をかぶったような状態、 あるいは気力がまったくわかない、理由なく不安といったことが長く続くときなど、 それは脳あるいは無意識の座である小脳がが充血しているときです。そのような状態 の中では脳が萎縮したり脳細胞が死んでゆきますので気をつけなければなりません。 この第一頸椎と第二頸椎の中間を私たちは亜門と呼び、自律神経失調症、脳卒中、心 筋梗塞、無気力賞、不安神経症などの特攻穴になっていますが、このポイントに鍼を する目的は脳の充血を解消することにあります。 脳が充血すると気力がわかなくなったり、血行障害を起こすのは当然といえば当然な のですが、それが脳の弱点です。 28、顎関節と姿勢 誰しも姿勢が崩れると、その崩れ方によって、あるところには余分な贅肉がつき、あ るところは衰弱してアンバランスな顔や姿になります。このアンバランスは内臓や精 神のアンバランスでもあります。 姿勢が悪いということは、背骨が本来のカーブを描いていないということですが、こ こでは、外見上の変化から見てみましょう。 姿勢がよい人は背筋がまっすぐに伸び、頭の中心近くに位置します。しかし姿勢が悪 くなると、この頭の位置がずれてきます。 もし、この頭の位置が前にずれてきたとすると、重い頭を支えるために両肩がそれを 支えるように前に出てきます。そうすると竹で出来た籠のような胸を上から押さえつ けることになり、心臓や肺がある胸の上半分が窮屈になり、下半分は逆に広がりま す。そうするとお腹や下半身の周りが妙に太り、内臓全体が下垂します。 この連鎖反応はこれだけに止まらず、内臓全体が骨盤全体にのしかかるため骨盤が開 き下肢が少しガニ股になってきます。 どんなにダイエットしても姿勢を元に戻すような治療をしなければ、この中年太りの ような体質や姿勢を変えることはできません。もし、このまま姿勢で無理にダイエッ トすると、体を支えている筋力が低下するためバランスを失ってめまいを起こしたり 体全体が衰弱したりしてしまいます。 また頭の位置が右か左前方に傾いていたとすると、それに合わせて一方の肩や骨盤の 位置が連鎖反応的に移動します。そのため左右一方の肩こりや腰痛、またその傾き方 によっては、からだの中心から右側に位置する肝臓や、左に位置する心臓や胃などの 内臓にも集中的にストレスが加わることになります。 そのため、私たちの治療は、その人本来の姿勢を取り戻すことに主眼を置いていま す。私は特に顎関節のバランスを考慮に入れています。この顎関節がスムーズにバラ ンスすることと、筋にたまったストレスを開放することで自然に頭の位置が中心に戻 り、背筋が伸びてくるからです。さらにそれらの姿勢が戻ることで、スタイルや顔の 雰囲気や表情まで変わってくることも多々ある事なのです。 29、疲れが取れない、眠れない 顎位が健康にどのような意味があるか、またどのような症状に効果があるか簡単に 一例から説明してみたいと思います。 悪循環というのは、なんとなく元気が出ないから落ち込む、落ち込むから眠れな い、眠れないからなおいっそう元気がなくなる、というような放って置くとそこから 抜け出せなくなるようなことを言います。この悪循環の中では、普通楽しいことがス トレスになったりするため、身体から変わらなければなかなか抜け出せません。 身体は誰しもある一定の決まったパターンを持っていて、不眠症に限らず、肩こり や腰痛、その他持病にしても、それなりの姿勢、歩き方になっています。今まではこ のパターンを変えるのはその人の努力以外には方法がありませんでした。しかし、量 子場調整では、その悪循環に陥った運動姿勢を正常な状態に戻すことができます。 不眠の場合は、決まって視線が伏し目がちに下を向いているため、水平を見ると き、顎が上がった姿勢になります。そのため、頭の後ろから後頸部が痛いと訴えま す。この姿勢は不安感を伴いますので熟睡することはさらに難しくなります。 人が深く熟睡しているときは眼球は上を向いて白眼になっていますが、眠れずに落 ち着かない状態でいる人は寝ていても眼球が少し下でうろうろしています。視線とい うのはその人の心がどこに位置しているかを表していて、下から見上げるような見方 をする人、つまり眼球が上に位置する傾向の人は眠っても眠っても眠いと言い、下に ある人は落ち着かなく、眠れないと言います。 この不眠や逆に疲れが取れきれずに一日が辛いなど状態は、顎位がブレ気味の姿勢に なっているためこのような症状を余儀なくされていますので、この姿勢を修正すると 不思議にもこの悪循環から抜け出すことが出来ます。