院長が解説する30の症状と施術
当院の岩尾院長が、さまざまな症状とその要因、そして回復のための施術の指針を解説していきます。
顔の輪郭
顔を見るとその人の健康状態がわかります。鼻は左右に分かれた肺臓に似ていますし、うつろになったり充血する目は肝臓に似ています。また、口はよく動く胃に似ていますし、耳の形は正に左右にあるソラマメの形をした腎臓の形にそっくりです。
形や働きが似ているだけでなく、内臓の変化をもよく現します。
風邪を引くと最初に肺に似た形の鼻がムズムズしますし、酒を飲みすぎるとその兆候はまず肝臓に似た目に現れます。胃が重くなると話す気もなくなり口が重くなります。逆に、いいたいこともいわずに我慢し続けていると胃が重くなってもきます。
東洋医学ではこのような関連性が宇宙の星々にまで延々と続いてゆくわけですが、この顔のバランスに焦点を当てて、この関連性を現代流にお話してみたいと思います。
以前、顎関節の左右のアンバランスが背骨と歯茎の両方に負担をかけ、その弱いほうのどこかが集中的にダメージを受け、自律神経失調症や背筋の痛みを始め数多くの症状の原因になることを説明しました。この顎関節の異常が、顔のバランスにも大きく影響していることが最近の歯科医師と私たち鍼灸師との共同研究でも明らかになっています。
たとえば、右の顎関節が奥に入りすぎてくると、無意識に頭が右に傾き、同時に目線が傾いて下になった右目が顎関節のほうに引かれて小さく、逆に左目は力なく、とろんとした涙目になる傾向があります。
また右顎の周りに偏った力が入るので偏頭痛を起こしたり、右耳が耳鳴りしだしたり、右を振り向くと目眩を感じたり、口が微妙にゆがんだりして顔の周りが気になって落ち着かないといった、アンバランスで不安気味な顔になります。
またこの顎関節のバランスが前後にずれ、その異常が両方にあると目の下がはれぼったくなったり、顎の周りに持続的なストレスがかかるため喉を押さえつけ声に張りがなくなったりして全体として気力のないぼんやりした表情になっています。
この顔のアンバランスに関しては、顎関節そのものが悪いのではなく、顎関節の前後左右の動きがバランスしていないためです。もし、自分の顔や首・頭の回りがしっくりしないで気になる人は、一度顎のバランスを調べてみるとよいと思います。