院長が解説する30の症状と施術
当院の岩尾院長が、さまざまな症状とその要因、そして回復のための施術の指針を解説していきます。
顎関節と姿勢
誰しも姿勢が崩れると、その崩れ方によって、あるところには余分な贅肉がつき、あるところは衰弱してアンバランスな顔や姿になります。このアンバランスは内臓や精神のアンバランスでもあります。
姿勢が悪いということは、背骨が本来のカーブを描いていないということですが、ここでは、外見上の変化から見てみましょう。
姿勢がよい人は背筋がまっすぐに伸び、頭の中心近くに位置します。しかし姿勢が悪くなると、この頭の位置がずれてきます。
もし、この頭の位置が前にずれてきたとすると、重い頭を支えるために両肩がそれを支えるように前に出てきます。そうすると竹で出来た籠のような胸を上から押さえつけることになり、心臓や肺がある胸の上半分が窮屈になり、下半分は逆に広がります。そうするとお腹や下半身の周りが妙に太り、内臓全体が下垂します。
この連鎖反応はこれだけに止まらず、内臓全体が骨盤全体にのしかかるため骨盤が開き下肢が少しガニ股になってきます。
どんなにダイエットしても姿勢を元に戻すような治療をしなければ、この中年太りのような体質や姿勢を変えることはできません。もし、このまま姿勢で無理にダイエットすると、体を支えている筋力が低下するためバランスを失ってめまいを起こしたり体全体が衰弱したりしてしまいます。
また頭の位置が右か左前方に傾いていたとすると、それに合わせて一方の肩や骨盤の位置が連鎖反応的に移動します。そのため左右一方の肩こりや腰痛、またその傾き方によっては、からだの中心から右側に位置する肝臓や、左に位置する心臓や胃などの内臓にも集中的にストレスが加わることになります。
そのため、私たちの治療は、その人本来の姿勢を取り戻すことに主眼を置いています。私は特に顎関節のバランスを考慮に入れています。この顎関節がスムーズにバランスすることと、筋にたまったストレスを開放することで自然に頭の位置が中心に戻り、背筋が伸びてくるからです。さらにそれらの姿勢が戻ることで、スタイルや顔の雰囲気や表情まで変わってくることも多々ある事なのです。