院長が解説する30の症状と施術
当院の岩尾院長が、さまざまな症状とその要因、そして回復のための施術の指針を解説していきます。
脳の弱点
脳は体の中でもっとも大事な部分であるがために、頭蓋骨という硬い骨に包まれるように守られています。しかし、それでも多くの障害が脳にはあります。
この脳の弱点をバランスの観点からお話してみたいと思います。
普通、頭はボーリングの玉ほどの大きさと重さを持ち、8キロから10キログラムほどあります。
その重い頭を真下で背負うように支えている骨があります。それがギリシア神話に登場するアトラス神にたとえられ「アトラス」と呼ばれている第一頸椎、そしてそれを静かに見守りながら支える「のど仏」といわれる第二頚椎です。
この頭全体と第一、第二頸椎の3つの骨の構造は私たちにとって大きな意味を持ちます。これらの構造上、頭が体の後ろ側にずれることは少なく、決まって前に向かって崩れてきます。そのため人は年を取るたびに、あるいは体調を崩すたびに姿勢が前に崩れてきます。
それはそれで良いのですが、ここで2つの問題が出てきます。
1つ目の問題はこの三つの骨を貫いて体の方々に伸びている神経の束を圧迫すること、もう1つは頭位置が崩れて、その重さで首の後ろの筋を圧迫することです。
神経が圧迫されると良くないのは誰でも知っていますが、頭の後ろの筋が圧迫されることでどのような問題を引き起こすかあまり知られていはいません。この後頸部の圧迫は肩こりや首の痛みなども感じないため、当の本人も何か変というだけで治療の盲点にもなりがちです。
ここが圧迫されると脳が最も嫌う脳充血と頭の後方に位置する小脳が同時にストレス状態になります。
いつも逆立ちをしているような気分であったり、頭に帽子をかぶったような状態、あるいは気力がまったくわかない、理由なく不安といったことが長く続くときなど、それは脳あるいは無意識の座である小脳がが充血しているときです。そのような状態の中では脳が萎縮したり脳細胞が死んでゆきますので気をつけなければなりません。
この第一頸椎と第二頸椎の中間を私たちは亜門と呼び、自律神経失調症、脳卒中、心筋梗塞、無気力賞、不安神経症などの特攻穴になっていますが、このポイントに鍼をする目的は脳の充血を解消することにあります。
脳が充血すると気力がわかなくなったり、血行障害を起こすのは当然といえば当然なのですが、それが脳の弱点です。