院長が解説する30の症状と施術
当院の岩尾院長が、さまざまな症状とその要因、そして回復のための施術の指針を解説していきます。
重い感じや帽子をかぶったようなモヤモヤ頭痛
頭痛は風邪を引いたときやアルコールを飲みすぎたりしたときによく感じますが、そのうち消えてしまいます。しかし頭の重い感じや帽子をかぶったようなもやもや感、すっきりとしない感覚は、身体全体のバランスに起因しているため、バランスが補正されない限り寝ても覚めても付きまとう根深い症状です。
この頭の感覚と身体の関係について簡単に説明してみたいと思います。
私たちが顎補正によるバランス技術を確立して来た過程で難関だったのは、この微妙な頭の感覚です。
普通の頭痛は、肺や肝臓に熱がこもると熱は上に上がる性質がありますので、頭に血が昇りがんがんする痛みになります。しかし常に頭が重い感覚は熱とは関係がなく、下を向いた動作が長く続いたり、肩が張ったり、あるいは人と話をしているとより症状が重くなったりするもので、初めのころはどこから手をつけていいのか皆目見当がつきませでした。
しかし重心動揺装置を導入し、足の裏の接地状態や重心の動揺の状態と姿勢や顎の運動の関係などを調べているうちに、ある決まった傾向といくつかのパターンがあることに気がついてきたのです。
簡単に要約してみますと、その人の立ち方を決めてしまう骨盤の傾きは、そのままの顎の傾きで、この傾きと頭のズレが頭がすっきりしない状況を作る、ということです。
このズレが後方に広がる形になっていると、目の前がぐるぐる回るような頭痛になり、前方に広がっていると、視野が狭まり頭全体が締め付けられ身動きが取れない頭痛になります。
前者は主に、副交感神経後者は交感神経の失調を促しますが、どちらにしても自律神経が揺さぶられ、ちょっとしたきっかけによって失調を引き起こしてきます。
また、この自律神経のうち交感神経は背筋に、副交感神経は体前面の筋群に直接関係しているため、骨盤と頭の傾きを補正し、はりや整体技術によって血行を整えることで、改善できます。
この頭がすっきりしない状態が続くと、その人の能力は多方面に渡って制限され、勉強や仕事をすることも、人に合うこともおっくうになってしまいます。そのことを自分の能力の欠如としてしまいがちですが、この症状は骨盤を含んだバランスの問題です。