白雲の道治療院

白雲の道治療院は、鍼灸術と量子場調整を用いて心身の健康面の向上、さまざまな症状や機能の向上、能力の増大に努めております。

白雲の道で美しく健康な体を!

CODE 036 2012-09-05 105522

No.036 - 第四章 接点 9

静観

この時期、ブライアンはナチスの一連の興亡をより大きな視点から観察していて、非常に大きな財と組織力、それと高い知的謀略を使ってナチスを利用している秘密結社組織があることに気がついた。


その手口は、一方でナチスを助けるふりをし、彼ら達と同じユダヤ人をナチスに迫害させ、もう一方では勝ち軍の連合軍を手引きしていた。その中で更に莫大な資産を世界から吸収する事にまんまと成功している。
 
彼らは昔から高利貸しのような部類なのだが、結束が硬く、初めから彼らにとってナチスはヨーロッパを手中にするための暴力的な道具であり、連合軍は世界全体を手の中に入れるための、やはり暴力的な道具でしかなかった。

 そのような謀略が成されているのを観て、ブライアンの血は、熱く煮えたぎっていたが、精神は氷のように冷ややかだった。彼は世の中の喧騒とした世界から遠く離れ、このスイス山中奥深く潜行し、技術的な進化に徹し、世界を静観した。
 
その中にナチの天才達を呼び寄せ、世界のどこにもない研究施設が着々と創られ、少しずつ、都市の様相を呈しているほどになっていった。
 
天才は天才を見抜き誘惑するのは簡単だ。特に彼のように天才的な頭脳と、カリスマりを併せ持った者には、誰しも同胞としての信を置く。ブライアンにとって有能な科学者や技術者は子供の頃の研究に励む寡黙な父親を思い出すところがあり、決して彼らを不幸になることはしなかったし、させなかった。


 そのために、この地下都市は科学者にとっては楽園のようで、世に出る事はなかったが、多くの量子的な発明がなされ、その中のいくつかの技術装置が秘密裏に世界の主要地にも設置された。

 地下深くに創られたこの空間から世の中を見ると、政治経済の騙しあいが、茶番にしか見えないし、騙され続ける一般の人間も哀れにしか見えない。
 
ほんの一握りのS秘密結社が、2013年には全世界の政治経済を揺さぶり破綻に追い込み、世界を金融によってがんじがらめに締め上げ、今にも征服の勝利ののろしを揚げようとしていた。
 
その時の彼らは蛇が人類という恐怖で縮みあがった蛙を睨みつけ、今にも一飲みにしようと鎌首を挙げ涎を垂れ流しているのに近い。

 その時には、彼は100歳を超え、その長い間準備した中で待ち、闇深くから窺がい、狙っていを定めていたブライアンがいる。