白雲の道治療院

白雲の道治療院は、鍼灸術と量子場調整を用いて心身の健康面の向上、さまざまな症状や機能の向上、能力の増大に努めております。

白雲の道で美しく健康な体を!

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No.032 - 第四章 接点 4

許せ!

その時代の社会ではヒトラーがユダヤ人種を根絶やしにせよと命じ、そのような事が正義を振りかざしおおっぴらに実行されていたその時期でもあり、この指令はブライアンの配下にとってにとっても自然な事であり、興奮する事であった。



 そのような状況の中で抹殺する事が喜びのような人間達によって、多くのナザレの同志が消されていた。結社の中には、屈強な戦士達もいたが、防衛するのが精一杯で彼ら不良分子の勢いは、手がつけられないような狂気をにじませていた。


 その状況の中で、主事はある決断をした。

「この技術をもって未来に飛翔せよ!」
 
具体的には結社を表向き解散する。構成員は社会の中に紛れてこの技術を出来るだけ世に隠して訓練し、パラレルワールドをひらくように。

 もし、この事がかなわなく、命を奪う敵や天命がやって来るなら、身体を離れるとき、未来1980年の時空間を心に強く思い死の中に意識的に突入せよ。場所は東京だ。


 2017年に結社を再編成するので、それまでにここで修行していた技術を思い出し、再び訓練するように。
私もそこにいるだろう。ショウもこの時空に生まれ変わっている。その話を主事から聞いたとき、ミヨは涙があふれんばかりに流し続けていた。
 

この時から、結社ナザレは、世間からも仲間からも孤立していった。

ミヨは、何度も命を狙われてきたが、そのたびに屈強な同志達に助けられた。そのときには結社の組織全体を把握し、多くの点で要的な存在だったからだ。


 しかし、結社を解散した数週間後、敵の侵入によって絶体絶命の時がやってきた。その時が訪れる前から、彼女は躊躇なく、からだを離れる決断しその体勢に入っていた。

彼女はオーラの技術をある程度マスターしていて敵が忍び寄るその動きや、武器、その計画が曇りガラスを通して見るように観える。
 

その視点をよそに、敵の侵入の時、ミヨは自分自身の内側にその目を向けていた。心の中にオーラの知識をしっかりと固定し、胸には自分が唯一愛したショウを抱き、意識を1980年の時空、東京に向けていた。

数人が、彼女の部屋に、なだれ込みナイフの刃がのどを切り裂いていたとき、彼らの暴力にかまわず、意識の嵐の中でショウの思いを一瞬とも離さないようにきつく抱きしめていた。
 

身体が死に向かって激変し、うだるような体の苦しさや重さを感じて、立ち往生している彼女がいる。オーラの技術を訓練しているとき、いつもそうなのだが、何かが重くのしかかる。この中で必死 にこらえていたとき、心の中で主事の言葉が響いた。
 
「許せ!」


主事にいつも言われていた事だが、ブライアンをはじめとした連中を憎んでいたその恨みを許せと主事は言う、何度もトライはしてみたが、そのような事は感情的にどうしても出来なかった。
 

その急を要する中でミヨは涙を流しながら深い感情の中で決断した。この身体を去るのであれば、この体にまつわる遺恨を置いて行こう。私はいつか女神の様な愛をもった者になりたかった。今その女神の観点なら許せる。
 


「私は、ブライアン他、全て、全て。許します。。。私の女神から。。」



この時ミヨは気がついた。自分自身が女神である事も許さなかった自身に。



 消えかかる意識の中、一瞬をおいて、その言葉を追いかけるように巨大なエネルギーが彼女の体を突き抜けて上昇した。そのエネルギーは彼女の感情を浄化し、内側の能力を一変させ、意識が爆発したかのように拡大した。意識の中に青い地球が輝き、彼女を、あたかも女神でもあるかのように称えている。
 今までの曇っていた内側の視力がクリアーになっただけではなく、自分自身が全てを包んでいる。
 

彼女の死が起きる前にこの事は起き、ミヨはこのクリアーさを伴って1980年のショウが転生した時空間にジャンプしていた。