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No.033 - 第四章 接点 5
サド達の不運
初期のブライアンのアジトはベルリンの中心部のにあり、石造りの強固な大邸宅にブライアンはじめ数十人の男女が出入りしていた。そこに拷問や殺しが好きでたまらない連中の数人が気勢をあげながら帰ってきた。
そこに、たまたまブライアンは深々としたソファーにくつろいでいたが、彼らは気がつかなかった。この新米の若者4人組は、ヒトラーの親衛隊気取りで、有頂天に騒ぎまくっている。
「あの、結社の女、色っぽかったなー。」
「真っ白なガウンを着て必死にお祈りしていた。生贄の様でたまらなかった。」
「しかし、不思議な事があったものだ。死ぬ前にからだがものすごい光に包ま
れた感じがしたが、お前見たか。」
「俺は彼女の身体の色っぽさしか見えなかった」
「俺はあの身体で2回もやったぜ」
「俺は3回だ。生まれてはじめてだ。あんなキモチ良かったのは」
「ナザレのナンバ-2だもんな。あんな女また探しに行こうぜ。」
その内容を聞いていたブライアンは心臓のあたりがビクッとしたが、静かな口調で振り向かずに。
「ひょっとしたら結社のミヨの事か。」
「い、いらしたのですか。気がつきませんで、はい、そうであります。」
ブライアンは胸深くしまっておいた恋心が、地獄の底にひきずられた思いがした。それと同時に途方もない怒りが腹の底から突き上げてきた。
ブライアンを守っている屈強な男達を呼びつけ、彼らに向かって
「こいつらをすぐに縛りあげろ」と命令した。
「わかりました」
縛り上げられる4人の新米達は何かの冗談だろうと縛られるままにしていたが、突然不安が押し寄せた。ブライアンの顔が尋常ではない。
「こいつらを、地下に連れて行って2センチ半ごとに身体の末端から刻んで犬にくわせろ」
その言葉を聞いていつもガードしている者達も顔を見合わせて、その言葉を確認しようとした。
「今言った通りだ。すぐにやれ。」