白雲の道治療院

白雲の道治療院は、鍼灸術と量子場調整を用いて心身の健康面の向上、さまざまな症状や機能の向上、能力の増大に努めております。

白雲の道で美しく健康な体を!

CODE 034 2012-09-02 233751

No.034 - 第四章 接点 6

脳支配

「な、なんだって! ふざけるな!」
 
「ふざけたのはお前達だろう。おまえ達にはいい思いをした記念に、特別にその目の前と後ろで、格別な地獄を見せてやる」
 
その言葉を聞いて絶対服従を誓う男達は、暴れる4人を引きずって地下に連れてゆき、新米者たちが泣き喚き許しを乞いているのを、聞かずに牛の解体用の回転鋸を使ってそのことを実行した。順番を待つ男は仲間が一人一人刻まれるのを張り裂けんばかりの恐怖で見せられ、自分が刻まれる時は目の中でそれを地獄として見る事になった。
 
ブライアンはその者達が一人一人切り刻まれるのを瞬き一つせずに、見つめながら、ミヨに許しを乞いていた。結社の中のミヨだけには平和な人生を送ってもらいたかった。そのために自分は彼女を影から守ってやるべきだったと心から悔いた。

 ブライアンはサドでもマゾでもない。そのような中に戯れる人間は愚か者のようにしか映らない。彼はいつも男と女、人と人の関係の中に人間の致命的な弱点があるのを覚めた目で観察していた。
 
彼にとっては、この新米者達のように人を殺して楽しむような人間は、気が触れたサドであり、自分の命令に服従する人間は、自身の決断にいつも自信がない。
ブライアンはそのようなマゾの傾向の人たちの方がましだと思っていた。彼らは明確な指示とビジョンがあればしっかりと仕事をし、最後まで気を抜かずに事を成す事が出来る人達であるからだ。


 自分の実行部隊にはサドの傾向を強く持ち、人殺しや拷問が好きでたまらないような人間が多くいる事はわかっていた。しかし、世界に支配体制を完成するまでは、そのような気違いサドを腹を空かして待っている20頭ほどのドーベルマンのように飼っておく必要があった。
 
そのような人間の長所は行動を起こすまでは非常に注意深い。しかし、その動の後に決まって注意を怠り本能を露にする。

 そのような人間は、いつも組織にとって危険要素を孕んでいるが、ブライアン
は効果的なコントロール方法を知っていた。

 この新米者4人の号泣を聞きながら次々に切り刻まれているのを身じろぎもせず見つめていたが、このような事は彼にとって後にも先にも一度もない。

いつもは命令はするが、このような近くで見ることはなかったし、興味もなかった。見ていたのは過去のミヨの美であり、腹の底でくすぶる怒りであり、許しを乞いていた自分自身のせめてもの償いだった。
 
その様子を配下は、みんな心臓が飛び出すほど恐れながら、見ている。彼ら人が通常の抹殺の他に何をしたのだ。抹殺した後、その身体に何をしても、今までたしなめられた事はない。

今回は他に何があったのか、まったくわからない。それがさらに彼ら配下を恐怖に落とし入れたが、サドの傾向を持つ人間は自分の統領は究極のサドか何かで自分達の理解の範疇にはないと思った。それが気違いサドを支配するブライアン流の方法だった。
 

ブライアンはとんでもなく癇癪(かんしゃく)もちの男だが、その最中でも決断と行動に瞬時の綿密な計算を働かせ、ためらいなく実行する。彼から見ると一般の人間は牛や鶏のようにのろまで忘れやすい馬鹿者にしか見えないし、実際にもその通りのような状況が彼の目の前に展開されつつある。


 天才は普通、自分がどうして普通の人に出来ないことを簡単に出来るのかを考えないが、このブライアンは人はどうして馬鹿者なのか綿密に調べるところがあった。その理由に遺伝子や生まれた環境も大いに関係あるが、最も大きな自分と異なる点は、通常、人は安楽や恐怖に囚われていると推理し仮定した。その本能や、過去に引きずられて人間の脳は重くよどんでいると。

 しかしその事を人に知らしめようとは微塵も思わない。逆にだれも気がつかれないように世の中を安楽の虜にし、作られた恐怖で脳をよどませることを、本気で考えていた。この考え方が、時を経て脳に埋め込むチップによる意識の支配につながって行く。