白雲の道治療院

白雲の道治療院は、鍼灸術と量子場調整を用いて心身の健康面の向上、さまざまな症状や機能の向上、能力の増大に努めております。

白雲の道で美しく健康な体を!

CODE 005 2012-08-04 140703

No.005 - 序章 4

浄化

 事故後3年ほど前から頭痛が徐々に消えた。自然に消えたのではなく、悪戦苦闘がんばったのだ。
 戦ったというよりも自分の身体の不都合と戦う感情を制したといった方が適切かもしれない。事故の後数年入院生活を余儀なくされていたがその時、知らないうちにたくさんの精神薬を含む化学物質を処方されていた。
 それはそれとして効果のあったものなのかもしれないが、それを退院して完全にやめたかった。入院している私のような、身体だけではなく精神もおかしく見える患者に薬をやめる自由はない。
 医師はやめると生きて行けないと言い、では一生服用するのですかと聞いた。

医師はそうです。もし今後今の薬が効かなくなったりもっと優れた新薬が開発されたら紹介しますとも丁寧に説明してくれたが、私の中では何かが猛烈にくすぶっていた。


 叔父が退院した時のためにと遺してくれた広めのワンルームのマンションがあり、このころには伝い歩きをしながらも何とか一人生活が出来るまでにはなっていて、あまり多くはないが父母の生命保険がおりていたので、大学に進学する費用と数年の生活費はあった。
 病院とのごたごたがあったが、運良く念願の一人生活が出来、その1日目から意気込んで薬を飲むのをやめてみた。
 

なるほど。薬の類をやめたその日から、今までにない感情の乱れやうねりが襲い始めた。発狂しそうな感覚というのはこのことを言うのだなと理解できたほど、呼吸が怒りや不満を顕すパターンに変化する。まるでライオンや狼が敵を見つけて威嚇するなんとも言えない感情がこもった息づかいとよだれの垂れ流しを見ているようだ。
 

周りには誰もいなかったのがよかったと思う。私はそのなかでがんばった。死にそうな感覚には慣れている。どんなに苦しいと思っても心の中の穏やかな領域から観察すると何が起こっているかがよく見えた。

 その繰り返しの中で理解した。人は死に急ぐのは感情が故だと。私の場合この居ても立ってもいられない感情のうねりが、逆に脳の中のゆがみや血の滞りを浄化していった。