[No.313]おしゃれな気分
2004年08月17日（火）

8月17日（火）天候晴れ
ある患者さんと世間話をしていた。
彼女は言った。
私は銀座に懐石の店を持っていたのですが、身体を悪くしている今、その店を手放しましたが、また始めたい。そのためにこの症状を治すためなら何でもしようと思っているんです。
私はまた悪い癖が出て、自分のことを話し始めてしまった。私は技術をもっと磨いて銀座に出店することが夢なのです。
彼女は銀座のことなら何でも知っている。
先生、銀座で開業するならおしゃれにして入りやすい店構えにすれば、店は繁盛しますよ。今の先生のこのような感じではだめですね。先生は技術を磨こうとしているまじめなところは良くわかりますが、銀座の経営は技術だけではだめですよ。私は腕のいい職人が経営している飲食店をいくつか知っていますが、目も当てられないような経営をしているのを知っています。まるで客の心理を知らない。
さすが、苦労人は鋭い。
でも先生の技術は歯の噛み合わせと同時に症状が良くなるので、変わっていると言うことで受けるかもしれませんね。
それはうれしいな。歯と身体と気の関係はきっと面白いと思うんですけどね。
先生、さっきも言いましたけど、銀座のお客はおしゃれな気分を楽しんだり、いい気持ちになりに来ているのであって、真実を聞きに来ているのではないのですよ。やっぱり先生は銀座にはまじめすぎるかもね。
これは手厳しい。そのとおりかもしれない。
しかし、高度な技術はそのおしゃれな気分をより楽しく出来るのだが。