[No.291]変容が起こる
2004年07月22日（木）

7月22日（木）天候晴れ
不思議なこともあったものだ。
放っておくとすぐに赤くさびつく鉄が猛火のストレスの中に何回も挑戦することで、錆びることのないあのすさまじいほどの切れ味を持った名刀正宗が創造される。
特に日本刀のようにシルクのような布をその上に乗せるだけで二つに切り裂いてしまったり、弾丸をまっ二つに両断しまうほどの切れ味は世界に類を見ないといわれている。
現代の最新鋭の研磨技術をもってしてもそれほどのものはできないらしい。
天下の名刀といわれる正宗や村雅などの名刀は単に猛火や鍛冶師氏の振り下ろすハンマーだけによって創造されたのではないことは確かなことだが、ほかに何があったのだろう。
まるで日本人が特殊な能力を持っていたかのようだが、このことを類推してみた。
日本人の精神文化の背景には空海や道元、それや神道系の極めて高い能力を持っていた人たちの伝統があるが、彼らはみんな熾烈な修行によって能力を究めていった人たちだ。
不思議なことに私たちの歴史はお家騒動のような内容ばかりだが、肝心なこのような人たちが何を発見したかについて書かれていない。
彼らはある意識の観察に関しての発見をしていて、観る者と観られる者の間に巻き起こるエネルギーの中に自分自身をも置く術を知っていた。
そのことで変容が起こる。ちょうど鈍らな刀が強靭な名刀に天才的な意識の観察によって変容するように。それは観察の力学であり、これから世界的に発展するだろう量子力学の展開であったと思う。