[No.273]結果しか見えない
2004年07月01日（木）

7月1日（木）天候晴
原因と結果の関係に気がつかないことが、私達の世界には多くある。そのひとつが、歯列と身体の関係にある。
ある時、私は面白いことに気がついた。
初診の時に今までの患者さんの既往症や病歴を一応聞いておくわけだが、その後に歯科治療の履歴も聞いて見ることにしていた。不思議な事に大がかりな歯科治療のあと1ヶ月ほど後に症状も良くも悪くも一変していることが多い。
今度は逆にまず歯科治療の歴史を聞いてカルテに書き込み、そのあとで症状を歯の歴史に合わせて聞いてみると、この方が、患者さんの状態を既往症がよく理解できる。また不思議に一致することが多い。
そんなことを始めてみていると、何回目かの鍼灸治療の最中に患者さんから「先生そう言えば前歯の治療のあとから頭にいつも帽子をかぶっているような気がしていましたとか、父親が歯の治療のあと、舌がもつれるといっていたあたりに、脳梗塞を起こしてたおれた気がします。」とか聞かされ唖然とすることがある。
私の観点からはこの関係は一目瞭然のように見ることが出来るが、この関係は普通には気がつかない盲点のひとつだ。
昨日のたんこぶの話のように、身体にとって本当は大きな衝撃であったのに、その結果しか見えないためにその原因に気がつかない。