[No.186]じっとその卵に意識を向けて
2004年03月12日（金）

3月12日（金）天候晴れ
数学者や物理学者はそれらの学問をぼんやりイメージしているわけではない。彼らはそのイメージを数式や法則に置き換え明確なイメージにしている。
体操選手やサッカー選手などもぼんやりとそれらの動きや空間をイメージしているわけではない。彼らのイメージが現実と接近する事でそのイメージは現実の中に生き生きとした顔を見せる。そのとき、彼らは圧倒するエネルギーを感じその喜びの中で跳ね回っている。
意図したイメージが現実になるとき、そのイメージは現実に顔を出すほどのエネルギーを保持している。それは胎児が母親の子宮から待ち望んだ人たちの中に生まれでた感動と喜びの瞬間に似ている。
私たち人の文明は動物の創造のレベルをはるかに超えている。イメージを現実に生み出す事が出来るからだ。イメージは虚の世界で身篭り時間をかけてこの世界に生まれ出る。その瞬間は誰しも歓喜するだろう。
鶏はその卵をその胸に抱くとき、じっとその卵に意識を向けてその卵を孵化させる。現代は電球のような熱い光を投げかけて卵を孵化させるが、これは光子という量子を投げかけている事だ。
これを逆に観ると鶏はその卵を胸に抱き意識する事で愛情と共に光子をその卵に注いでいる事になる。
鶏達は自分の卵さえ孵化し創造する喜びを人に奪われているが、この喜びは生ある者の基本的な喜びだ。せめて鶏にこの喜びと本能を取り戻してあげるべきではないだろうか。彼らもやはりぼんやりと意識しているわけではないのだ。