[No.165]しかもその二人は入れ替わる
2004年02月17日(火)
2月17日(火)天候晴れ
だれしも常識的な考え方として自分自身は一人であると考えている。
一人の中に二人がいるとは誰も考えないし、もし二人いたり、もっとたくさんの他人がいるとしたらそれは2重人格や多重人格になってしまう。
それはその通りなのだが、これらとは異なる観点から誰でもあたかも二人いるかのような二重の質と力を内包している。
例えばある女性が暴力を夫に振るわれているとすると彼女は実際にその苦しみに耐えている自分もいるが、同時に暴力を振るっている夫を観ている自分もいる。
この痛みに耐えている彼女は身体に同化している自分であり、もう一方は暴力を振るっている夫を観てそれを意識している彼女だ。この両者は想像する以上に別々のくっきりとした個性をもっているようだ。
身体に同化している方は痛みに耐えているが、一方暴力を振るっている夫を観ている方はまったく痛みはなく、醒めた目でそれらの一部始終を観ている。
この場合、痛みで耐えている方のエネルギーは小さくなっているが、それを観ている方の分身のエネルギーは不思議な事に逆に大きくなってゆく。
そしてその観たものを無意識の中でゆっくりと育て、いずれ波のような大きな力で状況の異なる人生の中に観たものを創造することになる。
つまりその人の中の観る者が観られる者をその人の世界に創造する。
もしこれが真実だとすると私たちの中には二つの異なる力を持った個性が同居している事になる。しかもその二人は入れ替わる。