白雲の道治療院

白雲の道治療院は、鍼灸術と量子場調整を用いて心身の健康面の向上、さまざまな症状や機能の向上、能力の増大に努めております。

白雲の道で美しく健康な体を!

CODE 082 2013-01-01 165010

No.082 - 第九章 The show 4

調査

 今回の襲撃の一部始終をあらゆる角度で調べていたスイス本部の科学者集団、それにブライアンやダイアン、彼らはこの出来事はある程度予測していた。しかしこれ程簡単に事を成すナザレに驚きを隠せなかった。
 
ブライアンはこの状況を量子場解析で徹底的に解析するように、そして弱点を明確にせよとの指示を与え、これから行う必要性を熟考していた。
 もし、全ての武器が反転して戻って来るなら物理的な武器は使えない事になる。しかしナザレと言えども生身の人間で生きている以上そのような事は不可能だ。いずれその弱点が見つかるだろう。
 
それよりも、彼らに爆発物を瞬時に移動させる技術や、人の運動を支配する事
が出来る能力が確立しているとしたら、すでに現支配の大きな脅威である。

 「それをスイスの科学兵器を持って徹底的に破壊する事も一つの方法であるが。。。」

 そのとき、スイス本部から初期報告が届いた。

 「ご報告します。ショウがビル内の結界から出て、能力を使ったため明確な量
子場波動解析ができました。

今までにわかっている事は、
 1、ロケット包の方向を下に向けさせた時、ショウの周りにある種の場が作られ、その場がロケット砲を持ってる人間を包んで歪めて動いている様子を確認しました。

 2、高性能爆弾が羽田に瞬間移動した事も波動解析が確認しました。しかしその時,ショウの周りの波動は動いていません。力源は他にあると考えられます。
この事に関して、ただ今解析中です。

 3、当ビルの振動解析から、ショウは50センチ程もある鋼鉄製の壁を確かに抜けています。またその同時期、中に居た16名の内7名の振動状態が突然ゼロになっています。これは物理的な身体がその場から消えている事を示しています。
 
その時のビルの上空の量子場は大きく活性しているのを確認していますので、おそらくこの種の変化が彼らに起こっているものと思われます。
 今までのところ以上ですが、もっとこれらを様々な視点から調べて報告いたします」
 
「わかった、ご苦労。ところで量子場振動解析のための測定装置はまだビルに
設置されたままか」
 
「はい。そのままです」
 「では、ショウがまだその事に気がついていない可能性があるな。引き続きビル内のナザレの動向を調べて報告してくれ。」
 
「ハッ。分かりました」

 そこにまたブライアンの私設ガード集団から報告が入った。

 「報告いたします! 戦士の中の学術研究グループリーダーのリーラを拘束しておりますが、後をつけて来たらしいナザレの一員が周りを探っている様です。如何致しましょうか」
 
「どんな奴だ」
 「ハッ、情報によるとケンジといってアザミのメカ関係の技術屋かと」
 
「何!あのクルーザー乗組員を皆殺し事件のアザミか」
 
「そうです。最近アザミは姿をくらましていますが、ケンジはその近くで活動しているものと思われます。」
 
「なるほど...... シュタインに友人的に接近させてその男とアザミを探るように指示しろ。シュタインや戦士達にリーラを拘束している事を知られるな」
 
「はっ、その様に」

 その頃、羽田の管理ビルは爆破されて、散々な状態だったが、そこに殺し屋達は帰ってこなかった。ほぼ全員が自爆の大怪我で病院に収容されたからだ。

 このビルの爆発は地下5階であったのでほとんどの人間が大なり小なり怪我をしていたが死亡者は誰もいなかった。
 今回の責任者である宇野も大怪我をし、コンピュータや計器類のほとんどが壊れてしまったため、銀座の状況も自分たちのビルに何が起きたかも皆目わからない混沌状態だったが、直属の上司であるダイアンに恐る恐る連絡をとった。
 ダイアンの冷たい返事が返って来た。

 「いま本部が調査中だからそこで待て」

 その言葉を聞いて初めて現実感がもどってきた。

 それは恐怖だ。組織上、失敗はその上司の判断で処分される。大半の部下は既にそこから姿をくらましているのに気がついたからなお更の事だった。

 襲撃の時、ビデオを持っていた男が、東京でもう一つの殺し屋集団の根拠地である日暮里のアジトで見せたい物があると身を寄せた。本当は羽田に帰るべきなのだが、ショウに帰ると死ぬぞという忠告に従ったのだ。

 その責任者である西山という男は、そのビデオを見てショウが壁から現れたのは何かのトリックか特撮だと言い張り、無視した。羽田の殺し屋連中は何かの罠にはめられたのであって、単にドジったのだろう。

 今度は自分達に任せてもらいたいと、ブライアンのナンバー2であるダイアンにテレビ電話で進言をした。

 「ダイアン閣下、羽田があのような失態を晒しましたが、今度は我々にお任せください」
 
「銀座の状況や羽田の惨状は掴んでいるのか」
 
「ヘイ、その時のビデオを見ましたが、何かのトリックが使われたようで、あの様なものは、我々には通用致しません」
 
「どんなビデオを見たんだ」

 「その時の襲撃の状況をビデオにとった奴がここに来て見せてくれたのですが、トリックですよ。羽田の連中はトリックに引っかかったんですな」
 
「その、ビデオを直ぐにこちらに転送しろ」
 
「ハッ、今すぐに」

 ダイアンはそのビデオを見て直ぐにブライアンの所に報告し、転送した。 ブライアンはこれらの状況を熟考し、決断した。

 「トロンを呼べ」