白雲の道治療院

白雲の道治療院は、鍼灸術と量子場調整を用いて心身の健康面の向上、さまざまな症状や機能の向上、能力の増大に努めております。

白雲の道で美しく健康な体を!

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No.078 - 第八章 謀略 7

征服すべきは

 スイス本部の科学者居住区に住んでいる、ミュウ。彼女も意識的な進化を遂げていた。
 
彼女の部屋は、かなり広いワンルーム、四方の壁にはたくさんの本が並んでいてその真ん中に小さなベッドが置かれ、それ以外は何もない。その周りを歩きながら、東京のトロンの行っている修行を取り入れ彼女なりに自分自身を進化させていた。

 仕事場でトロンの疑似体験を初めて体験した時、意識の中に沈み込んでいた今までに経験した事がない能力の一つが浮上し、数日のうちにその全体が意識の中に映し出された。

それはミヨが前世で達成したであろう知識と技術である事をすぐに自ずと認識した。
 
また彼女は全世界に設置してある瞬間移動装置の設計にも携わっていたので、人間の意識によるこの技術の途方もない可能性に気づくのも早かった。
 

その事を他の研究者に一切話さず自分自身の意識の中に構築する事を決め毎日遅くまで思いをめぐらしながらより一層の進化の道を探っていた。

 今までに修業を通して理解してきた事項は

1、量子は意識に従う。

2、どんな空間でもその場を意識することは、その空間に量子を生じさせる事になる。

3、意図はその量子群を湯気のように変化移動させる要素である。

4、それらすべての量子群は双子の性質を持つため、その変化を体に映し直感とて完全にフィードバックすることが出来る。

5、ここに、反復性を持った科学としての条件が成り立つ。

6、今までの量子装置で行ってきたすべての事を、人間の身体の内側と外側の両方向性に於いても可能になる。

7、この延長にパラレル世界を意思によって開く技術構築が可能である。

8、この事を、ナザレは実績しつつある。

 ブライアンの支配は人間の能力をチップによって制限し、また科学的な進化の種を抹殺することによって成立している。もしこの技術を多くの人間が認識すると現在の世界支配は危機を迎えるにちがいない。
 
毎晩、幽体を離脱させながら、身体を離れた世界を探索しているうちに、少しずつその時空間が意図に従うようになってきていた。

 ミュウは幼い頃から思考が他人の心や世界に影響を与えるのは知っていたのだから、量子の世界に格段の興味を持つのは自然なことだったのだが、ナザレが過去に集積してきた技術は自分の観点をはるかに超えていることに驚嘆した。

 ブライアンの科学者は量子の扱いには明確な認識を持っていたが、彼らは意識を度外視していたのだ。

それは当然といえば当然なことだった。もし、ちょっとした気持ちや集中した意識の変化が量子装置の量子場に干渉するなら装置の結果そのものが干渉される。だから意識というファクターをできるだけ遠ざけたのだ。
 
だがナザレはこの点が全く異なっていた。 スイス地下都市での科学は量子の性質や振る舞いを完全に支配しようとしてきたが、ナザレは奇妙な振る舞いをする量子に、身をゆだねようとしていた。
 
ミュウはこの修行を調べているうちに、いつのまにか自分自身が生き生きとしているのにも気がついていた。今まで、自分が生きていると実感した事はなかったのだから、この事は彼女にとって途方もなく大きな事だった。
 
ミュウは思った。
 「人間の幸せは外側世界の征服ではなく、誰しも持っている個々の意識の拡大にある。それは意識を介して心と同意語である量子群と共に旅をし、自分自身を含めた世界を探求する事だ。征服すべきは自分自身だったのだ」と。