白雲の道治療院

白雲の道治療院は、鍼灸術と量子場調整を用いて心身の健康面の向上、さまざまな症状や機能の向上、能力の増大に努めております。

白雲の道で美しく健康な体を!

CODE 057 2012-09-30 182252

No.057 - 第六章 接触 1

最善を尽くせ

 銀座のアジトで真理の種のメンバーや結社ナザレのメンバー全員が、 身体を含めた物理的な瞬間移動(テレポテーション) 心を寄せていた。
その事が、現支配体制から自由になる唯一の方法であると考え、 既に必要な要素とそのトレーニングの方法は理解していた。

 毎晩、8時ころになると10人ほどのメンバーが銀座のアジトに集まり、ワイン片手に気づきのセレモニーが始まる。
 
「わたしね、今日ビックリした事があるの。みんな聞いてくれる?」
 
「もちろんよ、ユウコ。どんな発見したの?」
 
「今まで、幽体離脱は時々起こっていた事なんだけどね、今までのよりビック
リなのよ。」

 「何が?」

 「それが、話したいことなんだけど、もったいぶりたいほどすごいのよ。それはね、、、、、 幽体離脱している最中に、テレビのチャンネルを変えるように、目の前が変わったのよ!

 その時ね。量子場を活性してこの現代のこの時間にも合わせて見たつもりになっただけなんだけど、それがビックリ!
 ちょっとだけ、こころの中にみんなの顔を思い出しただけなのに、みんなの横に立っている自分がいたのよ。」
 
「へーっ!」
 
「例えば、リョウコはユキ子を心配そうに見ていたわね。」
 
「え、えーっ。その時、ユウコは私の横にいたの?」
 
「そう!その時わたしは、ユキ子とリョウコ、そしてまだ見たことない外国の人3人を現実のようにクリアーに見ていたのよ!」

 ミヨはうれしそうに聞いていて、言った。
 
 「ユウコ、だいぶ進歩したみたいね。幽体が離脱するのも、その後の時空を意図して変化させるのも、そのつもりでいいのです。」
 
「そうかぁ、わたしはまだダメ。幽体離脱も起こらない。必死で悪戦苦闘しているのに疲れる一方。見て、目の下のくま。」

 「サヨ子はきっと離脱しようとするイメージと身体が戦って力んでいるのじゃない? 私もそのような経験ありますよ。」
  
「どうしてもそんな感じになっちゃう。ミヨさん、どうすれば戦わないようになれるのでしょうか?」
 
「それはね、ショウも話していたと思うけど、離脱のイメージを明確化した後はからだに任せて、身体を大きな視点でただ、眺めるようにする。努力をしないのよ。」
 
「大きな視点って?」
 
「自分の身体を客観視して外側から観るようにです。自分から見て外側はある意味潜在している世界、つまり虚空の世界にも通じています。その習慣を続けることで意識が少しずつ無意識世界から世界を観る能力を高めてゆくのですよ。」

 「そうか!やってみます。」

 「では、わたしは虚空から現実を見ていたことになるのね」とユウコ。
 
「そうです。虚空、無意識、女神は同意語ですから女神の視力が育っていると
思いますよ」

 「ワオーッ、ワオーッ、イエーっ、私ってスゴーい!」
 
「でも、気をつけてね。この能力にはたくさんの落とし穴があります」

 「わたし!どんなリスクでも受けてたちます!その落とし穴ってどんな感じですか?」
 
「それは、少しづつ自身で理解することですが、自身の身体も精神も賭ける必要を迫られる事になりますよ」

「意味深長ですね。私、真剣にがんばります!」

 
「そう言えば、ユキ子が遅いわね」いつもメンバーのまとめ役にまわるリョウコが言った。
 
愛ちゃんが
 「ユキ子だったら、今日スポーツクラブでとってもハンサムな人と一緒に食事に行ったみたいよ。」
 
「えっ、その人ひょっとしたら、あのスカッシュがメチャうまい、金髪のトロンさんじゃないの」
 
「その人、ひょっとしたら離脱して観ていたユキ子とリョウコ、もう一人の西洋人かも」とユウコ。

 ミヨがその話に割り込んだ

 「その西洋人を調べてみましたが、彼はブライアンが送りこんできた人たちの一人である事がわかっています」
 
「えぇっ!ユキ子は大丈夫なのですか?」
 
「確かに一抹の不安はあります。でも私たちの観察から、彼はブライアンの工作員ではない事と、自身の探求に強い意志を持っている人物である事を確認しています。」

 「その事は敵の差し金なのでしょうか」とリョウコ。
 
「今のところ、それはわからないのですが、おそらく何らかの意図があると思っ
ています。

 今までの観察からブライアンの送り出した人間には三通りいます。愛ちゃんやサヨ子、リョウコが拉致されて知っているように抹殺集団組織がおりますが、彼らは暴力を躊躇なく使う連中ですから十分過ぎるほどの注意が必要です。

 それとは関係のない、非常におとなしい人たちがいますが、彼らは単に善良な旅行者です。
 
そして3番目の人たち、彼らを私たちは注目しているのですが、彼らは、組織を持たない50名ほどです。

 その一人が、ユウコが幽体離脱で観た西洋人トロンさんです」
 
「やっぱりそうなんだ」とユウコ。
 
「それって私たちの願うところじゃないですか」とナオコ。
 
「その辺はまだ不明ですが、そうだといいですね」

 「トロンさんはブライアンの送り込んできた一人だとすると、私たちはどのように接したら良いのでしょう」

 その時、ショウが表向きの施術室から仕事を終え、みんなの一緒の輪の中に入ってきた。
 
「そのことを説明する前に、今までにショウと協力して彼らを調べてわかっている事を、ショウの方から説明してもらいますね」


 ショウがワインと話の状況一緒に飲み込み、みんなを見回して話し始めた。
 


 ミヨの感じ取ったあるシグナルがきっかけで、 ブライアンのアジトの場所の手がかりをつかんだ。

 そのシグナルはミヨの地球を包む視点でも、わからなかった。
 僕は、ミヨの能力を介して、その位置に身体ごとテレポートし、その位置から幽体を離脱し、方々を調べたんだよ。

 その位置には何も目新しいものはなく、ただうっそうとした森が四方八方に続いていた。それはミヨの言った通りだった。しかし、地下を調べてみると、これが驚きだ。

 まず、その空間は都市ほどの大きさと十万人ほどの人間を快適に養う機能をもっていて、科学的にも非常に進化している。更に深く潜入して調べている中でここが、ブライアンのアジトである事を知った。

 この空間を構造的に分析すると、平たい球形で、外側には世界を支配するための実行部隊である工作員、内側には技術を主とした科学集団の住む居住区がある。
またその中心部には細胞の核のような核融合によるエネルギーの発生装置や量子に関した装置が整然と設置されている。

 確かに、外側に居住している工作員達は暴力を使う事が仕事で、感情的にも破壊的な人間が多いが、内側に住む科学者達はみんな、自分自身の世界を愛しているような人たちだ。

今回、東京に送り込まれている50人ほどの人たちを観察していると、彼らはこの戦闘的な能力である工作員と科学者の両方の能力は持ってはいるけど、その両方のために送られてはいないように見える。

 おそらく、トロンもそのような一員であると思う。

 つまり、彼らは世界の支配には興味がないし、自分自身の世界で遊ぶ科学オタクのような自己陶酔型でもない。この事からも彼らの東京に送り込まれた目的は、他にあるのだろうと結社は観ている。

 そのスイスから発信されていたシグナルで、ちょっとした糸口がつかめたのは、大きな収穫だったけど、もう一つの糸口はトロンをはじめとした東京に送り込まれている、この50人ほどの人たちなんだよ」



 リョウコが思い余って発言した。
 
「トロンは、ショウの観察によると、ブライアンの一味なの?」
 
「そうだと思う。彼の過去を調べてみたところからの僕の見解は、ミヨの視点からも一致している」
 
ユウ子が
 「私は、ミヨさんの視点がクリアーなのには、いつも敬服されています。その視点か
ら他に気になる事とかありませんか」
 
ミヨはこの問いかけに明確に答えた。
 「気になる事といえば、二つあります。一つはスイスからのシグナルがどのような意味があるのかまだわからない事。もう一つは東京に送り込まれている50人ほどの人たちの胸に安全確認のためのチップが埋め込まれていますが、その働きが通常使われているチップと異なり、量子的な発信状態にあります。

 この意味がまだわからないのです。

 私たちの結社ナザレは前世において、ブライアンの攻撃を受けながら、その動向を見守ってきましたが、彼はいつも、とても計算高く一つの行動にとても複雑な目的を持たせ、同時に多くのことを収穫するところがあります。

 一見、善良なところを見せながらも、その背後には計算がいつも働いている人
です。

 しかし、私達がその過去を通してブライアンを思うなら、私たちも彼らと同じようになってしまいます。そうはしたくないのです。」



 その時、ユキ子がいつもより、軽快な足取りで帰ってきた。
 愛ちゃんがささやくように口早に
 
「ユキ子にこの話は内緒ですか?」
 
「いや、包み隠さず話してほしい。これから起きる事に関しても、みんなに伏せることは何もない」

 愛ちゃん
 「わっかりましたー!はーい」

 彼女達は、みんなワインを一飲みいつもの気勢をあげた。