白雲の道治療院

白雲の道治療院は、鍼灸術と量子場調整を用いて心身の健康面の向上、さまざまな症状や機能の向上、能力の増大に努めております。

白雲の道で美しく健康な体を!

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No.051 - 第五章 対峙 8

二人合わせて一人前の戦士

 ミヨは銀座のアジトで多忙な日々を送っていた。
 心理の種のメンバーの全員、サヨ子、リョウコ、愛ちゃん、ユウコ、サユリ、ナオコ、ユキ子の7人が、みんな今までの仕事を辞め、このアジトに寝泊りしながら、ちょっとした訓練をしている。

 その、新しいトレーニングは、幽体をからだ本体から離脱し、その時空チャンネルを現時点での時空に合わせる事だ。
 
幽体離脱を意図的に起こす事が出来たとしても、その時空が偶然的な状態で進行するなら単なる白昼夢でしかなくなる。
 
しかし、ここで量子場を意図的に活性することが出来るなら、目の前に顕れる時空は意志に従う。

つまり、時空間のチャンネルを意志で合わせることが出来ようになる。

 具体的にはこの時、意図した思いを持って4つのオーラの帯を決まった方向に回転するだけだ。
幽体離脱した世界では実質的な身体がないので、簡単に時間や空間を意図した通りに変化する。逆に言うと、その意図にブレや誤りがあると、目の前の時空がブレて揺れたり、逆転したりする事になる。

これは危険なことで、何度もその危険な目に合いながら、みんな、目の下にクマをつくるほど、がんばっていた。

 銀座の町はいつものように平穏を保っているように見えるが、殺し屋集団が、反逆分子を探索し抹殺している。。。私達の素性はある程度知られているので、うかつに彼女達を外に出せないでいる。


 
そのような危険な中でも、私達は、離脱した身体だけではなく、心身のバランスをとるために、結界を張り巡らしてあるスポーツクラブであるスカッシュのトレーニングも始めた。
この結界はミヨが数年前から保持し、量子波動測定装置に検知される事を防いでいるので、今まで殺し屋集団や彼らの一味にこの領域を一度も侵されたことがない。

 始めの頃みんなラケットにボールが当たることさえ難しかったが、身体能力を高めようとがんばっているうちに楽しくなってきた。

 ショウも時々来てトレーニングしているが、運動能力はここ最近、以前と見違える様に高くなってきている。
いままで、入れ歯だった事もあり、顔の輪郭に不自然さがあったが、それもだんだんと消え、歯根のところが盛り上がり新しい歯牙が再生されつつある。

 ショウは自ずと知った。
 人の精神も身体も意思を使うたびに、生き生する。その理由は迷いが少なくなり、その人の周りのオーラが新しい量子場群を引き寄せ再結合する。その事が、肉体にも影響して身体を再生する。


 もし、身体が次元的に上昇し、テレポーションが起きるエネルギーの臨界点を越えると今までの身体が自然と浄化し、再結合されるのも必然だ。

 ちょうど、粗鉄が猛火の中で不純物が表面に浮き出し、水の中で冷やされる事で鉄の原子同士が鋼のように新しい力を伴って再結合するよのと同じだ。

 
ショウの身体は、17歳の時の冴えた意識が戻ってきていた。それにも増して過去生に経験した多くを思い出していた。

 今まで、狭い隙間から人生や社会を見ていたとすると、時間の経過と共に目の前の人や出来事はすぐに見失うことになる。視界の外に去ってしまうからだ。見えなくなった現実は過去という事になる。しかし出来事はいつもそこにあったのだ。ならば未来もそうなのだろう。


 
 ミヨは既に高い次元の幽体次元から世界を認識しているために、多くの出来事を時空を越えて観る事が出来る。
 
ショウはこの幽体の次元と現在の時空間を結びつけ、自分の身体を幽体離脱した空間にジャンプさせる技術を発展させていた。しかしそのテレポテーションの飛翔距離は、まだミヨほどの視界のクリアーさはないため半径25キロほどで、世界を観、把握する能力には限界があった。

 ミヨは、世界のどこにでも観、知る事ができる。だがショウのような無鉄砲さはないので、肉体的な移動は出来ないでいる。


 この時点で、ブライアンの世界支配に対して戦うには十分とはいえないが、二人合わせて、歯ごたえを感じる程の力を手にした。