白雲の道治療院

白雲の道治療院は、鍼灸術と量子場調整を用いて心身の健康面の向上、さまざまな症状や機能の向上、能力の増大に努めております。

白雲の道で美しく健康な体を!

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No.047 - 第五章 対峙 4

「創造の戦士」の門出

科学者居住区の遺伝子組み換技術を使って生まれた子供達と、工作要員の子供として生まれ感情的な遺伝子をもった者たちのなかで、厳しい試練を与てきたグループがある。

ブライアンは、この者達に、世界の創造をゆだねたいと思って彼らを育ててきた。


 結社ナザレが結成されたほぼ同じ時期、その男性40人、女性14人の選りぬきの彼らがスイスの地下深く、壁全体が薄いピンク色に輝いている体育館ほどの大きさの部屋で全員、直立不動でライアンが話すのを待っていた。


 みんな、よくここまでがんばってきてくれた。きみ達は私の夢であり、希望だ。

 知っての通り、きみ達には極めて優秀な能力とそれを生かす世界がある。
 私達の手の中には過去の天才達の遺産である遺伝子と周到に準備された世界が既にあるからだ。
 世界は既に、われわれの支配下にあるが、これは我々の理想社会を創造するための下地でしかない。
 きみ達に望む事は、理想社会の確立だ。研究室に籠もる科学者でも、工作要員でもない、また管理者でも管理される者たちでもない。
 理想は私の中にもあった。そのために戦ってきたが、今度は多くの厳しいトレーニングに耐えてきた、きみ達の思う理想をこの世界に生かしたい。

 私はきみ達を信頼しているのでチップ管理はしない。これからここ地下都市を出て、この指令を持って自由に生きるがいい。 必要なものは全て与えるつもりだ。



 みんな、感動の中で聞いていた。

 ブライアンは、過去においてショウを拷問死させたが、その時のショウの態度は彼にとって恋敵ながら敬意を払わずにいられないかった自分がいる。ブライアンはそのような人間になってもらいたいと、年を重ねるごとに思うようになっていた。そのため彼らを何度も窮地に追い込み、彼らを試し訓練してきた。

 その彼らにナザレの人間に出合ってもらいたかった。過去において彼らを抹殺したが、それは世界を支配していたサディスティックな馬鹿者どもを排除し、人間の精神をまともにするための計画上、邪魔だったからだ。

 今ではその計画が現実になっているために、過去のように抹殺することは必要はない。ナザレが再結成されチップ支配を破壊されるような事になるなら、彼らを再度邪魔者として抹殺しなければならないが、ナザレの努力は世界の科学よりも自身の能力への高みを目指している。

 そのため、ブライアンの分析能力が、以前のような抹殺という単純な方法ではなく、もっと有効な方法があると思っていた。しかし、だからといって工作要員の中の、抹殺、殺し屋集団に彼らナザレを例外にするようには言うつもりはない。ナザが彼らに抹殺されるなら、それは彼らの運命であるからだ。

 選りすぐりの彼らを「創造の戦士」と名づけ」「まず結社ナザレが結成されただろう東京に向かうように。そして彼らに近づき彼らの意図と、その技術を探索せよ。」と世界の中に送り込んだが、その彼らには胸に支配チップではなく、特別な安否確認のチップが埋め込まれた。


 ブライアンは彼らによって何が人間の本質なのかを観たかった。
殺し屋集団が人間のドラマに関与する事でより人間の本質を露にするだろうとも考えそして本命である主事やミヨ、ショウなどがいづれその姿を現すに違いない。 この時は反面戦いの時でもあり、彼にとって久々に心踊る思いでもあった。