白雲の道治療院

白雲の道治療院は、鍼灸術と量子場調整を用いて心身の健康面の向上、さまざまな症状や機能の向上、能力の増大に努めております。

白雲の道で美しく健康な体を!

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No.030 - 第四章 接点 2

狡猾な計算

 その憤りは非常に大きなもので、激しい嫉妬を持って、ショウとの関係を壊そうと徐々に彼なりの謀略が深まっていた。同時に主事に対するクーデター計画が進行し、多くの構成員がブライアンの手に落ちつつあった。

 ショウはそれらの事に気づき、ブライアンの謀略からミヨと構成員を守る戦いが水面下で長い間、続いていたが、ブライアンは得意の罠を巧みに仕掛け、ショウを拉致することに成功した。

 その当時、結社ナザレは政治的なものではなく、真実を探求しようとするイニシエートされた者がフランスやイギリス、主事の修行地であるナザレの他にも少数ながら修業を続けていた。結社組織がどこでもそうであるようにその名前や素性が秘密にされていたが、ショウにだけは教えられていた。

 その構成員の名前を知り、勢力を拡大するためにも、ショウに対し部下達に熾烈を極める拷問をやらせ、その拷問をためらわずに行う者を側近中の側近にすると明言した。 新米者を含めて全員ショウを知っており、熱い世話になった者もおり、躊躇したが一方ブライアンのカリスマ性を持った言葉には魅惑的な力があり、いつの間にかショウは彼らの嬉々とした血祭りにあげられていた。
 

ブライアンはその状況を少し離れたところから見ていて、自分では手を下さなかったが、彼はいつも謀略を実行に移す場合、二重、三重の効果を一つの実行に合わせる冷たい計算が働いている。
 
その中で前世のショウは命を落としたが、ここでブライアンは恋敵を消し去り、部下に、ショウに直接手を下すことで踏み絵を踏ませ、結社の反逆と世界支配ののろしを高く揚げた何重もの計算高さを進行させた。


 
ショウは、その生での当時から奇想天外な発想や物事の本質を見抜くところがあり、子供のような優しさがあった。そのようなショウをミヨは母性からも深く愛していた。女性にとって母性を満たす男性はどんなに情けない状況におとしめられていても、決して離れようとはしない。

ブライアンは男性としては、すばらしいが、ミヨにとっては一緒にいたくないタイだ。

 しかし、そんなブライアンは母性には愛されないが、父性には愛される。結社の主事は彼の非凡な才能を早くから見抜き、彼の全てといって良いほどの知識を与えた。息子は世の常であるように親を超えようと、反逆を始める。主事は彼をそのように観ていたところがある。

その主事が際立って目をかけたもう一人の男がショウだ。 
彼から見てショウはただ面白い。奇想天外に夢を見ているかと思えば、気がつくと真実を深く貫いている。その後にはいつもおおらかな笑顔が輝いている。

東京に現れた主事のパラレルワールドを自身の体ごと自在にシフトし、瞬間的に移動している能力からして、主事がブライアンをこの世から消し去るのは、難しい事ではない。

しかし出来ないのはこのような理由だ。出来るならショウに、そしてミヨを始めとした東京に転生した結社の男女に、ブライアンの現在に至る支配を包み込んで、素晴らしい世界を創造してもらいたい。