白雲の道治療院

白雲の道治療院は、鍼灸術と量子場調整を用いて心身の健康面の向上、さまざまな症状や機能の向上、能力の増大に努めております。

白雲の道で美しく健康な体を!

CODE 022 2012-08-22 171945

No.022 - 第三章 展開 3

信頼

 施術所に「真理の種」メンバー全員の7名が集まり、初めて、私達のアジトである本棚の裏にある隠し部屋にみんなを招待した。


 彼女達はみんな驚いて目を皿のようにして周りを見ている。この隠し部屋はこのビルがミヨの親の所有である事もあって、可能になったもので、広さが施術側の面積の5倍ほどあり、その中に数年の間生活したとしても快適に生きられる食料や水源、動力源、通信機器等がそれと分からないほど整然と設置されている。

 部屋の中央には小さな黄色いテーブルがあり、そのテーブルを囲むように椅子やファーが居心地良く置かれている。その中の好きな椅子に座ってもらい落ち着いた頃、ミヨが静かに話し始めた。

 「この一見、気がつかない隠し部屋を皆さんに御見せしたのに、ちょっとした理由があります。簡潔に申しますと、私達がいま取り組んでいる真理の種の技法が関係しています。

 この技術は皆さんも感じつつあるように、人間の真理に近く、また、いずれ私達個人の領域を超えて進化する可能性をも多分に含んでいます。
 この知識は私達にとってすばらしいものですが、それを由としない現在の体制があります。
もし、この技術がオーラ占いや浄化のような受動的な技術であれば、今の体制もある程度は見過ごすのですが、この技術の内包しているものは、能動性、つまり他者の身体や人生、時空間までも変化させる力を併せ持っています。

 そのために、この技法を共に学ぶのに命にも及ぶかもしれないリスクがあります。具体的には後でショウに概要を説明してもらいますが、そのリスクを熟慮していただき、また共に進化して行きたいのです」

 ミヨが話し終わった後、命にかかわるリスクについて、私は正直に話した。前頭葉に埋め込まれるチップが究極的な意識の喪失につながる事、オーラの技術を支配の目的で悪用している敵の存在、そしてこの技術の真実を知るものに対して偵察し抹殺しようとしている敵が身近にも迫っている事、もし私達の存在が知れると大変に危うい状況
がすぐにもやって来る可能性について説明した。

 彼女達はみんな真剣な眼差しで聞いていた。一通り説明し終わったあと、ちょっとした静寂が流れたが、その中の普段あまり発言しないユウ子が高揚した表情で口火を開いた。

 「わたし、夢の中のどこかで、こんな感じを観ました。お話を聞いている内、不思議に不安ではなく、勇気なのか愛なのか何か力強い感覚が湧いてきています」

 「私もです!心の中に自分の何かが目覚めた感じです」とサユリ。

 一番年下の愛ちゃん「私も!」
 
 他のメンバーも、より生き生きし始めた。
 その中のいつも慎重な態度を崩さないナオ子、「冒険すべし!」と右手を高々
と上げジャンヌダルクのように感情を表現した。

 格闘技が大好きなユキ子「望むところジャン!」とみんなに挑戦を促した。

 しっかり者でまとめ役にまわる事が多いリョウ子がミヨに聞いた。
 
「闇で真実を知る人達を葬り去っている現状と、そのターゲットになっているかもしれない私達、その中で私達に何が出来るのでしょう。」

 
「私達は真実の種そのものになります。この真実が支配に屈しない人間の力を世界に向かって開く種になります……それは支配をもくろんでいる体制だけではなく、人間としての挑戦です。もし、それが一人きりであっても少なくとも自分自身がお祝いしてくれる挑戦であると思います」

 毅然とした言葉が彼女の正直な気持ちを表していた。彼女はいつか言っていた「私はこの地球に恥じない女性になりたい」そんな気持ちがこの言葉にも顕われていた。


 心理学にとても興味を持っているサヨ子がミヨに向かって、とても生真面目な顔で聞いた。「ここにいる私達はみんな同じようなところがあると思います。その共通している所に何かあるのでしょうか」

 この7人はみんな彼女の不可思議さに憧れていた。
このような力が彼女達を否応なく奮い立たせている。

 「とても強烈な共通点があります。それは過去性での体験です。それを皆さん
に映し出して御見せします……よろしいでしょうか。少し刺激が強いかもしれません。」

 そのように彼女達に確かめ、その準備を促した。

 「姿勢を整え、目を軽く閉じるように……」みんなとのタイミングを図りながら、人差し指を彼女自身の目と目の間に軽く触れた。

 その一瞬を置いて
すごい勢いで泣き叫んだり、こぶしを握り締めて震えだす者。ただただあふれるばかりの涙を流しながらそれに耐えている者。両手を高く上げ反り返りながらわけの分からない言葉をつぶやくもの、など大変な状況になった。

 私の内側の視界の中では、7重の映像が同時に映し出されていた。この7人みんなが異なる時間、場所で生きたま炎の中で身が崩れて行くのを観た。彼女達は炎の真っ只中にいたのだ。


 その間30秒ほど、ミヨは彼女達の前世での死の瞬間を内側の意識に映し出したのだった。


 その後、大いなるものに包まれているかのような静寂がやってきて少しずつみんな自分過去を少しずつ飲み込んでいった。

 十数分経っただろうか。彼女達はあれほど泣き叫んでいたにもかかわらず、生まれ変わったかのような澄んだ目をして某然としている。その彼女達に静かに話し始めた。

 「私達は愛と意志を守る戦士です。今観たように、みんな自身の真実に命さえ賭けてきた人達です。
 しかし、再びこの試練がやってきているのです。

 もし、今この真理の技法のことを忘れて、私達に近づかないと決めれば、あのようなこ惨事に再び見舞われる事はないでしょう。。。。ここにちょっとした決断が必要です。新たな未知な試練か、それとも回避か、どちらでもかまいません……その決断は私達二人に対してする必要はありません。自身にしていただきたいのです……

一週間後にまたお会い出来る事を……もしお会いできないとしても私達は一体です」

 
 そのようにこの日は別れた。この中でみんなに今日の事や、このアジト、敵のことなどについて他言しないようになどとは、言わなかった。
もし、そのようになるなら、遅かれ早かれそうなる。