白雲の道治療院

白雲の道治療院は、鍼灸術と量子場調整を用いて心身の健康面の向上、さまざまな症状や機能の向上、能力の増大に努めております。

白雲の道で美しく健康な体を!

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No.019 - 第二章 結界 7

シンプルさ

 病気とはそもそも何だろうか。
 「それは簡潔に言うと量子場の錯乱ね」
 ミヨはいとも簡単に言い放った。私もさまざまな症状や病気を診ていてそう思うところがある。

 「僕もそう思うよ。量子場を捻じ曲げて、暗雲のような場を創るのは簡単だけど、クリアーな量子場にしてゆくのは明快な意識が必要だ。」

糸が絡まるのは、簡単だがそれをほぐすには、明快な視点が必要なのと同じだ。



 「そう言えばショウ、この前来た患者さんでスポーツマンタイプでいかつい顔の男性が彼女と一緒に来た事があるの覚えている?」
 「覚えているよ。確か、ゴルフをし過ぎて腰がつらいと言っていたけど、身体場はそのような場ではないのを不思議に思っていたんだ。あの時は量子場を使う必要を感じなかったので一般的な整体だけで終えたんだけどね」

 「それでよかったと思うわ。調べたところ彼は、殺し屋集団の一員という事が判明したの。。私たちの事はおそらく気がつかれてはいないと思いますが、気をつける必要がありますね」

 「えぇ! そうなのか彼女の方には美容的な観点で量子場を使ったけど、大丈夫かな」

 「彼女は彼が殺し屋だと思っていないと思いますが、もし彼女を量子レベルでの検知器が敵方にあるとして、調べるとすぐに私達が量子場を意図的に変化させている事が知られてしまいます。いずれ私たちの事は敵に知られることになりますが、その前に私達の能力をもっと高めましょ。」

 「そうか、殺し屋か。何か変だと思ったけど、その経過を僕に映し出してくれないか」
 彼女は目を軽く閉じて人差し指を目と目の間に軽く触れ、私とのタイミングを合わせた。

 その瞬間、私の内側の視界にその男性の行動の一端が、立体画像になってありありと映し出された。
 
 「、、、、、なるほど、この男はずいぶんと冷たい目で人を殺しているな。手口はナイフが主に使っているようだけど、その後どのように処理しているのだろう」

 「私の調べた限りでは、大型ワゴン車で漁港まで搬送し、彼らのクルーザで太平洋の海に沈めているようね」

 「誰でも思いつきそうな原始的な手口か。では仲間がいるね」

 「その仲間の主だった者達の情報を映し出すわね」

 「、、、、、なるほど、この連中の共通したところは何かだね」

 「犯行の実行者は日本人が主ですが、クルーザーにはヨーロッパ系が多いわね。体格から言ってみんな格闘系の経験がありますね」

 「ならば捕まってしまうとたいへんだな」

 「おそらく、私達へ介入があるとしたら、すぐに致命的な事はせず、拉致と言う事でしょう」

 「お決まりの仲間の名前や居場所を吐け! と言ったところか。昔と同じだな」

 「この生に転生した仲間の安否は大丈夫かな」

 「彼らはみんな今のところ無傷です。ショウにまだ話していないのですが、私は彼らの位置を把握し結界を張り巡らしています」

 「それはビックリだ、ミヨ。どのようにその能力を身につけたんだ」


 「前世の時、ショウが去った後、培った能力なのよ」
 
 「それはオーラの技術と関係ある事なのか」

 「確かにオーラと関係があります。でも今ショウが取り組んでいる意識を論理的に集中しながらオーラを回転させる方法ではなく、逆に、脳の思考作用を止め意識を外側の空間に拡大する方法を取ります。そのことで意識が広大な空間に偏在するため、周りの状況に力を及ぼす事が出来ます」

 「オーラにはそんな使い方 もあるのか。その時、次元認識などの論理は使わないのか」
 
 「論理は使いません。厳密に言うと愛がより大きな愛に融合する時に起こる能力の一つなのです」

 「何てことだ。すごいな」
 
 「愛はすべてを同時に認識する能力をあらかじめ持っています。そのため時空間を越えた認識とその場を量子の干渉から守る事が出来るのです」

 「その力には僕はいつも敬服しているよ」

 「ショウの能力はもっとすごいのよ。回転するオーラの中で意志が真実をもって貫かれると、動じないものは何もないのだから」

 「その事は何度も聞いているけど、量子の世界は僕の心よりも奇想天外でよくわからないんだ」

 「きっと、真実はシンプルで奇想天外なのかもよ」

 「まてよ、病気よりも健康のほうが奇想天外な事なのかもしれないな。たとえば病気の事を考えているよりも病気にかかりようがない事を夢見ているほうが奇想天外な事かも」

 「私もそう思いますよ。愛はシンプルに包み込み守ること、思考は極まると無に還り、無の世界から世界を創造します。どちらもそのシンプルさに力があるのです。」

 「、、、、なるほど。。。。。では目前の殺し屋達はどうしたものかな。どのように対処しようか。」

 「彼らの思考や行動は奇想天外なものではないため予想できるのですが、その背後にいる連中が、どれほどの奇抜な技術を持ってもっているか、それが問題ですね」

 「あのバーでのギョロメのオヤジを追っているらしい探査技術は量子技術である事はほぼ間違いないことだし、その技術とつながった殺し屋集団は注意が必要だ」

 
 「そろそろ結社の仲間のネットを再開し、この点をより明確にしましょう」

 「それまで体力的にもアップさせる。スカッシュですばしっこく走って逃げる体力はだいぶついたけど攻撃力はからっきしだめだ」

 私は、彼女が笑うかもと思ったが、まじめな表情で相づちをうった。