白雲の道治療院

白雲の道治療院は、鍼灸術と量子場調整を用いて心身の健康面の向上、さまざまな症状や機能の向上、能力の増大に努めております。

白雲の道で美しく健康な体を!

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No.012 - 第一章 内と外の融合 5

敵は複雑化している

 ミヨの存在はとても大きなもので、今までの時間が自分の中で眠っていたかのように間延びして感じる。
 
彼女はいつか徐々に始まる戦いに、物心がついた頃から知っており、大人になるにしたがってその準備に取り掛かっていたが、私がなかなか見つからないジレンマにいたらしい。
 
私の方はというと戦いなど考えた事もない日々を送っていたが、戦うと決めたときから、身体の中から熱い思いと一緒に力が沸いてきているのを感じ、最近では外側の風景や人のざわめきを見ても内側から外側の肉体にエネルギーが向かってゆくのを感じている。

 今まで意識そのものである自分の気持ちが、内側にばかり焦点が合わされていたので、身体にはあまりエネルギーが流れていなかった事にも気がつき、それと同時に過去の知識や叡智がほとばしるように脳の中にやってきていた。

 意識して対象を見、もう一方の視点を自分の深い静かな内側の一点に合わせる
と、その間に無数の量子が群れを成してその対象がどのようであるかをホログラ
フにして意識の中に顕わす。
 
その対象のどんな側面が知りたいかを、心が決定するとすぐに量子群はそのパターンを変えその対象を量子的変化を起こし立体画像として意識の中に顕してくるのだ。あたかも1つ1つの量子そのものが知性をもっているかのように音もなくざわめきひとつなく、隊列を組み直し変化し、そこに鮮明な立体画像を進行形で映し出す。
 
この法則性とプロセスをしっかりと過去の自分の能力から思い出した。このプロセスを身体の次元に反映させるべくその領域を移動した。つまり身体を内側の世界と外側の世界の中間に置くことで身体を鏡のように使い、量子の構成を意図的に身体の中で変化させ、外側世界である自分を含めた他者の身体や人生をシフトさせる。

 私にとってはこの叡智と能力が過去のすばらしさでもあり、同時に災いでもあった。

 
ミヨが言った。
 「敵はとても複雑化しています」
 そのとおりだった。自分の過去生を調べたとき、それは単純に見えた。しかし現代の状況をミヨに指摘され、いろいろ現代の社会情勢を見ると、とても複雑で広範囲に広がっている。

 前世において私たちはフランスの1900年代初頭に生まれていて、その当時の崇高な意思を持った秘密結社に属していたが、その中の少数がある狡猾な意図を持って暗躍していた。
 
その当時、彼らはまだ小さな集団だったが、今や世界の政治、経済、マスコミなどを巨大な資金を持って裏から操作している。
 
その彼らも人間の尊厳と理想を掲げその高い視点から行動していたが、ヒットラーが台頭する時代、その影響を多分に受けて理想が根本的なところから揺らいでいた。

 彼らの意思はその当時のどの国の政治よりも高い理念と知識を保持していたが、手段は彼らと同様の冷酷なものになっていった。つまり邪魔なものは徹底して排除する行動に出た。

 しかしその時も、彼らは決して表に出るようなことはせず、常に第三者の位置にいてすべてを狡猾に演出する。最近では政治家や思想家、タレントなどの論客を使って自分たちの都合の良い出来事を次々に引き起こし、巧みにその責任を都合の悪い相手に擦り付けるものだから彼らは何の傷も負わないで決まって膨大な利益を得る事になるが、一般市民の目にとまるような事はめったにない。
 
もし、そのような事になったとしたら、すぐに煙幕を創り出し演出する。

 それほど彼らは世の中や人間の深層心理に通じており普通、倫理的にやれるはずのない事もすました顔をしてミスなく実行する利口さがある。おまけに上記の量子に関する叡智と能力を併せ持っているのだ。

 その優位極まりない高みからは世界の第一級の政治家といえども幼稚な子どもにしか映らないだろう。一般の善良で正義を振りかざす人達は彼らにとって作品のようにしか思っていない人達だ。なぜならその正義感や倫理観を植えつけたのは彼等なのだから。

 では今の彼等にとって敵とはなんだろうか。はっきり言って彼らの政治的、権力的な敵は最初からいない。いるのは駒として国家であり責任を擦り付けるための有力な個人であり、搾取するための成り上がり企業だ。

 一般市民が彼らを闇の政府だとかフリーメーソンの一派だとか、ユダヤ系の財閥だとか、言って騒いでも、それに類する本を書いても彼らは笑っている。逆に彼らと戦う光の戦士がやってくるとか、宇宙人や地底人が今に彼らをやっつけるとか、そのようなわけのわからなくなる情報を有名なライターや雑誌記者などにもっともらしい証拠をつかませ、報道させているぐらいだ。

 だから今の彼らには敵はほぼいない。しかし都合の悪い者たちはいる。
 それは、人が自身の真実と依存する事など必要のない能力を知る者たちだ。それは彼らにとって都合が悪い。
 
そのために徹底した自身の主観であるところの叡智を知る人間を排除してきた。
彼等以前にも魔女狩りやそれに類する方法で排除をしてきた歴史があるが、現代においては以前にもまして彼らは躍起となってその人間を抹殺するために探しまわっている。彼らの狡猾な意図の完成が近いからだ。
 
では、なぜ彼らにとって都合が悪いのか。
 それは、彼らの張り巡らした網の目をくぐってしまう。現代医学や現代科学もその網の一面があり、その網の目が破れると彼らの狡猾な計画が崩壊する恐れがある。その網は基本的にうそで塗り固められているからなおさらの事だ。

 もともと国と国を仲たがいするように仕向け、暴利をつかんだのも嘘から始まったのだが、この事で嘘がばれてしまい人間の究極的な開放が起こってしまうからだ。だが完成が近い今では、もうどんなに能力の高い人間が現れても遅いだろうという楽観も彼らの中にある。そのあたりが彼らの隙であり切り崩しが出来る狭間だ。

 「彼らの弱点は大体理解できた。もっと進化してみようと思う」
 ミヨはにっこりうなずいた。
 
「彼らも以前に比べてかなり進化していますが、それは財政的、技術的な進化でショウのように内側の視点を通して進化してはいません。いずれわかる事ですが、人間の真実の意思が愛を伴って内側から提示された時、どんなに強大な権力を持っていたとしてもかなう者は誰もいません」

 ミヨは自信ありげにこのような意味ありげな言葉を時々口にする。不思議とそのとき、彼女の身体の周りはまぶしく観える。