[No.275]鶏の過ち
2004年07月03日（土）

7月3日（土）天候晴れ
さまざまな症状や病気の本当の原因をどうして知る事が難しいのだろうか。
その理由のひとつは意識そのものにあるからなのかもしれない。もし鏡というものがなければ自分の顔に汚れがついていても気がつかないのと同じだ。
もうひとつは知られないようにしている集合的な企てみたいなものがある。
以前鶏の話を日誌の中、アーカイブNo.71「管理なき自由」に書いたことがあるが、私達は鶏のように餌を与えられれば安全で努力しないですむ生き方を好む傾向がある。
鶏は野生であった時はもっと強く、空も飛べただろうと思うが、今はそのことをすっかり忘れている。もともと忘れやすい鶏だったのかもしれないが、それにしてもどうして単なる人間の食料になるためだけの鶏人生になったのだろう。
鶏が籠の中でパソコンをいじって巧みに餌を引き出したとすると、周りの鶏からはずいぶんと進化した鶏だと思われるかもしれないが、鳥としての能力を忘れておとなしくなるものだから人の食料になるのに都合が良くなっただけのことだ。
同じように、現代文明は自分自身の能力が高まったと思っているが、本当の能力を忘れることを加速しているのかもしれない。それは企みというよりも依存社会の弊害なのかもしれないが、本性を忘れた鶏のごとく過ちを起こさないようにしなくてはならない。