[No.206]広義の精神病
2004年04月04日（日）

4月4日（日）天候晴れ
病院に行くと当然の事ながら病人がいっぱい居る。病院の先生も検査装置も病気を見つけるのがうまい。病人も自分の病気を早く見つけて診断を下してもらいたい。当然と言えば当然だ。
しかし、こんな人もいる。
ある時まで、健康そのものだったが、何となく自分の身体が変な事に気がつき、それが原因で気が狂いそうになった。
何が原因か判らないので、それを知るために病院に行ったところ自律神経失調症と言う病名をもらった。それでその人はひとまず安心した。
自律神経失調症と言うのは平たく言うと原因は良くわからないが強いて言うならこんな症状です。と言う事だがその人はその事で随分と安心した。
少しすると彼はその症状と戦い始め、胃潰瘍を創った。当然と言えば当然だ。よくわからないものと戦うほどストレスになるものはない。
でも、その人は病院で胃潰瘍と言う診断をもらったので精神的には以前より随分と安心した。
そうこうするうちに身体中に潰瘍だけではなく腫瘍や目に見える病気を創り出したが、精神はすこぶる安定している。原因がわかって自分自身に納得しているからだ。
彼は死ぬまで身体は病気だが、精神的には健康であると言われるかもしれない。しかしよく考えてみるとこれは広義の精神病そのものではないだろうか。